5.2 介護保険料・後期高齢者医療保険料・国民健康保険料の年次処理スケジュール
以下は、厚生労働省の「保険料(税)の特別徴収」によるもので、介護保険料・後期高齢者医療保険料・国民健康保険料における年次処理スケジュールを表しています。
8月と10月支給分で公的年金の手取り額が変わるケースがあるのは、年度をまたいで所得額が確定し、保険料の天引き額の決定や事務処理が後ろ倒しとなるからです。
6. まとめにかえて
今回は、現役シニアの年金事情について詳しくみてきました。
日本年金機構が公表している「令和6年度の年金額の例」によれば、標準夫婦に支給される年金額は23万483円となっています。この金額だけを見ると、月20万円以上の収入があれば、工夫次第で生活できるように感じるかもしれません。
しかし、実際にはこの年金額から所得税や住民税などの税金、さらには国民健康保険料や介護保険料といった社会保険料が天引きされます。そのため、手取り額は想像以上に少なくなり、年金だけで生活することに不安を抱える方も多いでしょう。
さらに、少子高齢化が進む中で、今後の税負担がどう変わるかも懸念材料です。将来的には医療費の自己負担割合が増えたり、所得税や住民税の負担が重くなる可能性も否定できません。
こうした現状を踏まえると、将来の老後生活に備えて、できるだけ早い段階から資産形成を考えることが大切です。「余裕がありすぎるくらいの老後資金」を用意しておくくらいの心構えが、豊かな老後生活を送るための安心材料になるかもしれません。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「森林環境税及び森林環境譲与税」
- 国税庁「公的年金等の課税関係」
鶴田 綾