12月13日は、2か月に1度の年金支給日です。多くの方は、毎年6月に日本年金機構から送られる「年金振込通知書」で、年金振込額を確認しているかもしれません。しかし、10月の年金支給の際に再び「年金振込通知書」が届く場合があります。

この理由は、年金の振込額が変更になるためです。例えば、前年の所得が増えた場合、住民税や介護保険料が増額され、その分、年金の手取り額が減るケースがあります。「せっかく働いて収入を増やしたのに、年金が減ってしまった」と感じる方もいるかもしれませんが、これは税金や保険料が再計算された結果なのです。

現役シニアにとって、年金額の変動は家計に大きな影響を与えるため、年金支給額の変化が生じるタイミングやその理由を把握しておくことが大切です。

今回は、現役シニアの年金事情について深堀りしていきたいと思います。

1. 公的年金「国民年金・厚生年金」のしくみ

以下の図は、日本の「公的年金制度のしくみ」を表したものです。

公的年金は2階建て構造で、「1階:国民年金」「2階:厚生年金」となっています。ここからは、「国民年金」と「厚生年金」の特徴について詳しく見ていきましょう。

1.1 国民年金(老齢基礎年金)の加入対象・保険料・年金額

国民年金保険料は年度ごとに見直されますが、全員一律です。2024年度は、月額1万6980円となっています。

また、国民年金額は保険料の納付期間により算出されるため、満額(※)受給するには、40年間未納期間(月数)なく保険料を納める必要があります。

「国民年金」に加入対象となるのは、原則、日本に住む20歳~60歳未満の全ての人です。

※国民年金の満額:2024年度月額6万8000円

1.2 厚生年金(老齢厚生年金)の加入対象・保険料・年金額

厚生年金保険料は、毎月の給与や賞与などの報酬に応じた等級により決定する「報酬比例制」です。(上限あり)

厚生年金額は、現役時代の働き方や年収、厚生年金保険の加入期間などに応じて決定します。そのため、年金保険料が一律の国民年金と比べ、個人差が生じやすいのが特徴です。

厚生年金の対象となるのは、適用事業所で働き一定の要件を満たす会社員や公務員、パート・アルバイトの方となっています。

次は、2024年度の国民年金・厚生年金の「年金額例」を見ていきましょう。