毎年9月21日は「世界アルツハイマーデー」、そして日本でも「認知症の日」と制定されています。認知症についての啓発を目的としたこの日の存在を、皆さんご存じでしょうか。
厚生労働省は、来たる2025年には、65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症となると推計。高齢化社会を迎え、認知症や介護の問題は他人事では済まされなくなってきました。いつ、自分の家族にふりかかってきてもおかしくない事案なのです。
認知症の親を持つ家族は、生活の中で様々な困難を抱えることになります。トイレや入浴、食事などの日常行為の介助をどうするのか。とりわけ、金銭面についての困りごとは多くの家庭で発生します。
筆者は認知症の実母を、老人ホームに入所させた経験があります。認知面の低下が著しい母に振り回されながらも在宅介護を続けるつもりでしたが、その方針を曲げざるをえないきっかけがあったからです。
「さすがにもう限界!もうこれ以上は在宅介護を続けられない」と筆者が感じた実体験とデータを織りまぜながら、認知症の在宅介護の限界点について考えます。
※認知症の症状や進行具合には個人差があります。信頼できる医師の指示のもとで、適切な療養・介護を行ってください。