3. トラブル発生!もうさすがに在宅では無理と悟ったその理由

残念ながら、認知症は症状などに個人差はあれ進行していきます。比較的初期の段階では大丈夫だと思っていても、そう遠くない内に在宅介護の限界が見えてしまうことが多々あるのが現状です。

筆者が「絶対に在宅介護を続けるべきではない」限界を感じた要因を一つだけ挙げるとしたら、それは「火事に繋がるトラブル」です。

もちろん、トイレ介助やお金の管理、大量の洗濯物の山との格闘などもとても大変です。

でもこれらは体力と気力と愛情、家族の協力などがあれば何とか乗り切れないこともないと思えるくらい、火事に繋がるトラブルは深刻だと気づかされました。ひとたび火を出せば、ご近所さんも危険に巻き込んでしまうことになりかねないのです。

たとえガスコンロではなくIHコンロを使っていたとしても、誤った使用方法をすれば発火する可能性はゼロではありません。電子レンジも然り。本来加熱NGであるアルミホイルなどを庫内に入れてしまったり、食材を加熱しすぎたりすることで発火の危険性があります。

筆者の母は、どうやらパンらしきものを電子レンジで「チン」し過ぎたことで発火に繋ががってしまいました。

本人がやけどを負うことはなく、ボヤで済んだことは不幸中の幸いでした。しかし、最悪の事態を想定し、もう在宅介護を続けるのは無理だと判断したのです。