筆者は元信用金庫職員ですが、偶数月の15日は、窓口やATMに年金を引き出しに来店されるお客様が多かったことを思い出します。

働き盛り世代のみなさんは、自分が将来いくら年金を受給できるか、ご存じですか?高齢化が進むいま、年金保険料を支払う現役世代が減少し、将来の年金水準が低くなる可能性も懸念されていますね。

2019年に話題となった「老後2000万円問題」がまだ記憶に新しいという方もいるでしょう。これは金融庁のレポートに端を発して話題となったもの。標準的な夫婦世帯の老後には、公的年金以外に2000万円の追加資金が必要という試算結果です。

「公的年金だけに頼る老後は不安……」そんな漠然とした不安をお持ちの方も少なくないでしょう。そこで必要となるのが、家計のスリム化を心掛けて貯蓄を増やす、長く働き続けるためにスキルアップや健康を意識するなどの自助努力。いつかやってくる年金生活を、より安心度の高いものにするための大切な準備と言えます。

みんながお世話になる「公的年金」の仕組みは、意外にややこしい部分もありますね。今回は、年金制度の意外な盲点ともいえる「年金から天引きされるお金」について解説。公的年金のしくみや、今のシニア世代が受け取る年金額についても見ていきます。