10月支給分で年金の手取りが変わる人も【老齢年金から天引きされるお金】を知っていますか？年金にもあった《手取り》と《額面》

6. まとめ：老後資金をかんがえる

今回は、老後の年金から天引きされるお金について整理した後、年金のしくみや今のシニア世代が受け取る年金額について触れました。

年金だけに頼る老後に漠然とした不安を感じる人が増えるいま。セカンドライフを安心して過ごすために、現役世代が今からできることはたくさんあるでしょう。

収入アップを目指してキャリアを見直す、家計のスリム化を目指すべく固定費の見直しを進める、NISAやiDeCo（イデコ：個人型確定拠出年金）を活用して資産運用でお金を育てる、など、取り組みやすいことから始めていけたら良いですね。

長く働き続けるためのスキルや体力は一生ものの財産となるでしょう。また家計を圧迫する固定費の代表格ともいえる「保険」の見直しも有効です。その場合、高額療養費制度、傷病手当、介護保険制度など、各種公的保障が行き届かない部分を民間の保険でカバーしていくのがおすすめです。

また、資産運用にはリスクがつきものですが、最適な商品と運用スタイルを選ぶことで、預貯金だけで資産づくりを行う場合よりも効率よくお金を増やしていくことに繋がります。

まずは情報収集からスタートしてみませんか。

年金Q&Aまとめ

出所：日本年金機構などをもとにLIMO編集部作成

日本の公的年金制度は複雑で、多くの人がさまざまな疑問を抱えていることでしょう。ここでは、年金に関するよくある質問を取り上げ、その解答を解説します。

日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。

国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する基礎年金で、厚生年金は会社員や公務員が加入するものです。

国民年金は一定の保険料を納付し、将来の年金額が決まるのに対し、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、将来の受給額にも差が出ます。

年金の受給開始年齢を遅らせることで、受給額が1カ月につき0.7％増える「繰下げ受給」があります。

例えば、65歳から受給を開始する予定を75歳0カ月まで繰り下げると、84％増額となります。これは、長期間働くことができる人や、他の収入源がある人にとって有利な選択肢となります。

年金を増やす方法はいくつかあります。自営業やフリーランスの方は、国民年金の付加保険料を支払うことで、将来の受給額を増やせます。

また、厚生年金に加入する働き方に切り替えることも一つの方法です。

さらに、老後資金を増やすという意味では、投資信託やiDeCo（個人型確定拠出年金）などを利用して、自身で資産運用を行うのも選択肢です。ただし、運用にはリスクがあることに注意が必要です。

野平大樹