5. 老後に向けた「最適な資産づくりのスタイル」を探そう!
ここまで、公的年金のしくみを整理したあと、厚生年金の受給額事情や年金額の決まり方に関する知識を整理しました。
サラリーマンだった人が受け取る厚生年金は、年金加入期間と年収によって大きな個人差が出ます。平均月額だけを単純比較すると、国民年金(5万円台)よりも手厚い金額となることは確かですが、実際に受けとる年金は一人ひとり違います。
ご自身の年金見込み額は、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で把握しておきましょう。また、今と同じ年金給付水準がこの先も続くとは限りません。長寿時代に備えた資産づくりは、できるだけ早めにスタートできたらよいですね。
預貯金をコツコツと増やしていくことはもちろん大切です。しかし、超低金利が続くこんにち、資産運用でお金を育てていく視点を持つ好機が来ているとも言えるでしょう。
2024年に拡充されたNISA制度の活用を検討するのも一案です。まずは情報収集からスタートしてみませんか。資産運用のリスクやメリットを理解し、最適な資産づくりのスタイルを探していきましょう。
【編集部よりご参考】
第1号被保険者や第3号被保険者は、将来国民年金のみの受給となります。
参考までに、国民年金(老齢基礎年金)の受給額ごと人数もご紹介します。
国民年金受給額ごとの人数
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
6. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
日本の公的年金制度は複雑で、多くの人がさまざまな疑問を抱えていることでしょう。ここでは、年金に関するよくある質問を取り上げ、その解答を解説します。
6.1 年金の主な種類と仕組みは?
日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。
国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する基礎年金で、厚生年金は会社員や公務員が加入するものです。
国民年金は一定の保険料を納付し、将来の年金額が決まるのに対し、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、将来の受給額にも差が出ます。
6.2 「繰下げ受給」とはどんな制度?
年金の受給開始年齢を遅らせることで、受給額が1カ月につき0.7%増える「繰下げ受給」があります。
例えば、65歳から受給を開始する予定を75歳0カ月まで繰り下げると、84%増額となります。これは、長期間働くことができる人や、他の収入源がある人にとって有利な選択肢となります。
6.3 年金を増やす方法はあるのか?
年金を増やす方法はいくつかあります。自営業やフリーランスの方は、国民年金の付加保険料を支払うことで、将来の受給額を増やせます。
また、厚生年金に加入する働き方に切り替えることも一つの方法です。
さらに、老後資金を増やすという意味では、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用して、自身で資産運用を行うのも選択肢です。ただし、運用にはリスクがあることに注意が必要です。