2026年1月30日、厚生労働省より最新の「福祉行政報告例」が公表されました。このデータから、身体障害者手帳の交付状況に関する最新の実態が明らかになりました。
今回はこの公表されたばかりのデータをもとに、どのような障がいが手帳の対象となっているのか、また手帳を持つことでどのような支援が受けられるのか、その内訳と制度のポイントをわかりやすく解説します。
1. 身体障害者手帳、等級「1級から6級まで」どんな障がいが交付対象になる?
障害者手帳とは、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種類を総称した呼び方で、障がいのある人が各種支援を受けるための公的な証明です。いずれの手帳を持っている場合でも、障害者総合支援法の対象となり、医療費助成や税制上の配慮、公共料金の割引など、さまざまな支援制度を利用できます。
このうち身体障害者手帳は、身体の機能に一定以上の障がいがあると認められた人に交付される手帳で、身体障害者福祉法に基づき都道府県や指定都市などが認定・交付を行います。障がいの程度に応じて1級から6級までの等級が定められています。
1.1 身体障害者手帳、交付対象となる「9つの障がい」
身体障害者手帳の交付対象となるのは、身体障害者福祉法別表に定められた身体上の障がいがあり、一定以上の程度で永続すると認められる場合です。対象となる障害には下記の障がいが含まれます。
- 視覚障害
- 聴覚または平衡機能の障害
- 音声・言語・そしゃく機能の障害
- 肢体不自由
- 心臓・じん臓・呼吸器の機能障害
- ぼうこう・直腸の機能障害
- 小腸の機能障害
- ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害
- 肝臓の機能障害
2. 身体障害者手帳、所持者「467万件以上」肢体不自由に次いで多いのは?
身体障害者手帳交付台帳は、身体障害者福祉法施行令に基づいて各都道府県などが手帳の交付状況を管理している公的な記録です。この台帳に登録されたデータから、手帳を持っている方の障がいの種類の内訳や、その数の年ごとの変化を確認できます。
2024年度(令和6年度)における身体障害者手帳交付台帳に登録されている総数は、467万4999件でした。
2.1 障がい種類別の内訳
【障がい種類別の内訳】
- 肢体不自由:224万7815件(48.1%)
- 内部障害:161万8720件(34.6%)
- 聴覚・平衡機能障害:43万9036件(9.4%)
- 視覚障害:31万2992件(6.7%)
- 音声・言語機能またはそしゃく機能障害:5万6436件(1.2%)
内部障害とは、心臓、腎臓、呼吸器、膀胱・直腸、小腸、肝臓、免疫の機能に関する障がいの総称です。内訳をみると、肢体不自由と内部障害の2種類だけで、全体の8割以上を占めていることが分かります。
2.2 障害者手帳の等級区分について
身体障害者手帳には、障がいの程度に応じた等級が設けられており、その基準は身体障害者福祉法に基づいて定められています。障がいの状態は法令で示された判定基準に沿って評価され、重い順に1級から6級までの区分が設定されています。なお、基準上は7級に該当する場合もありますが、7級のみでは身体障害者手帳の交付対象とはなりません。
※7級の障害が2つ以上重複する場合などは6級として認定されることがあります。
3. 障害者手帳、利用できる暮らしの支援
障害者手帳を取得し、必要な申請を行うことで、福祉分野に限らず日常生活を支えるさまざまな支援を受けられることがあります。代表的なものとして、公共料金の割引や、所得税・住民税における控除など、全国共通で利用できる制度があります。
※自治体や事業者、等級により内容は異なります。
さらに、自治体や民間事業者が独自に設けている支援として、鉄道やバス、タクシーの運賃割引、携帯電話料金の割引などがあり、日々の暮らしの負担軽減につながっています。
3.1 自立支援医療の対象となる場合もある
障害者手帳を持つことで、医療分野では自己負担の軽減につながる自立支援医療(更生医療など)の対象となる場合があり、治療にかかる費用の負担を抑えられます。また、義肢や装具などの補装具について、購入や借り受けにかかる費用の支給を受けられることもあります。
さらに、共同生活援助(グループホーム)や居宅介護といった障害福祉サービスは、手帳制度と連動して利用が進められます。これらの支援を状況に応じて組み合わせることで、障がいのある人が地域で自分らしい生活を続けられるよう、生活全体を支える体制が整えられています。
4. まとめにかえて
今回は、1月30日に公表された最新データをもとに、身体障害者手帳の現状と支援制度について解説しました。データが示す通り、肢体不自由だけでなく、心臓や腎臓などの「内部障害」を持つ方も数多く手帳交付を受けています。
「見た目にはわかりにくいから」「自分は対象ではないかも」と一人で悩まず、まずは自治体の福祉窓口や専門家に相談してみてください。適切な支援につながることで、経済的な不安が少しでも解消され、自分らしく生活を送るための一助となれば幸いです。



