4. 50歳から積立投資を始めるメリット・デメリット

続いて、老後を目前に控えた50歳から積立投資を始めるメリットとデメリットも見ていきましょう。

4.1 メリット:収入の増加によって投資資金を確保しやすい

40歳代や50歳代になると、若いころよりも収入が増加している可能性があります。

その分投資に回す資金を確保しやすく、若いころに比べて大きな金額を積み立てられるかもしれません。

また、年齢を重ねることによって様々な知識を吸収し、投資やお金に対する理解度が上がっている可能性もあります。

より慎重にリスクを管理しつつ、安全資産とのバランスを考えた運用を行える可能性があるでしょう。

4.2 デメリット:投資できる期間が短い

若いうちから積立を始めたケースに比べて、投資期間が短くなってしまうのはデメリットです。

投資期間が短いと複利効果やリスクの軽減効果は薄れてしまうので、運用成果の安定性という面では劣ります。

また、30年以上積み立てたケースと同等の成果を上げようと思うと、必然的に毎月の積立金額が多くなります。

家計の状況によっては投資に回す資金を捻出する余裕がないケースも考えられるので、その点においても不利といえます。

しかし、50歳から始めても15年間は投資期間を確保できるので、資産形成の遅れを取り戻す手段としては有効です。

リタイア後の生活を支える資金を少しでも増やせる可能性があるので、「50歳で始めても遅いのでは?」と思っている方も、新NISAの利用を検討してみるのはひとつでしょう。

5. まとめにかえて

今回解説したように、積立投資を始めるのは早いに越したことはありません。シミュレーション結果を見ても、その金額には大きな差があることがわかります。

とはいえ、50歳から始めるのは無駄かと言われれば、決してそうではありません。

昨今の物価高騰や税金・社会保険料の負担増加などを考えれば、何かしらの老後対策を行っておくことが大切であり、その1つの手段として新NISAの活用は有効です。

何も対策を行わないまま老後を迎えて後悔することがないよう、思い立ったらすぐ行動に移しましょう。

参考資料

加藤 聖人