将来の老後生活において、収入の柱となる公的年金ですが、現在のシニア世代はどのような年金生活を送っているのでしょうか。
筆者はファイナンシャルアドバイザーとして資産にまつわる相談を日々受けているのですが、前職は銀行に勤めていました。
年金が支給される偶数月の15日付近は、銀行の窓口へご来店されるお客様が多かったことを覚えています。
お客様のなかには、「自分たちの生活費のやりくりだけでも大変なのに、孫へのお子遣いの準備もしないといけないから大変」とおっしゃる方も多くいらっしゃいました。
また、「それでも私たちはまだ年金をもらえている方だから、今働いている人たちの方が将来大変なのかもしれない」と現役世代の老後を心配する声も。
実際のところ、厚生労働省の調査によると、高齢者の58.3%は「年金だけで生活できない」と回答しています。
そこで今回は、現在のシニア世代が受給している年金の平均月額をご紹介します。
現在、政府が支給を検討している「年金生活者への追加給付金」についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
理想とする老後生活と比較しながら確認してみると、今からできる対策も見えてくるかもしれません。
1. 高齢者世帯の58.3%は「年金収入だけで生活できない」
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」をもとに、公的年金を受給している高齢者世帯の現状を見ていきます。
厚生労働省の調査によると「公的年金や恩給のみで生活できる」高齢者世帯の割合は41.7%。
高齢者世帯の58.3%が「年金収入だけで生活できない」と回答しています。
老後、年金のみに頼って生活することが難しくなっている要因の一つとして、公的年金(国民年金・厚生年金)の受給額が十分でないことが考えられます。
次章では、政府が「秋ごろに年生活者世帯への追加給付を検討している」ことについて、わかりやすく解説していきます。