2. 老後にかかる費用は?医療費と介護費用の平均額
60歳代の平均的な貯蓄額、金融資産保有額のデータをご紹介しましたが、実際のところ、どの程度の額を貯蓄しているとよいのでしょうか。
2.1 医療費と介護費の平均額
ここでは、医療費と介護費から考察してみたいと思います。
まず、医療費については厚生労働省の「生涯医療費(2021年度)」によると、生涯に必要な医療費の額である生涯医療費は2815万円です。
また、生涯医療費の額を65歳以上に絞ると、1604万円となっています。
次に、介護費用を見てみましょう。
公益財団法人生命保険文化センターが2021年に行った「生命保険に関する全国実態調査」によると、一時的な費用として平均74万円、月々の費用として平均8万3000円となっています。
医療費と介護費の平均的な額から、老後に必要な貯蓄額をシミュレーションしてみます。
まず、厚生労働省の「令和5年簡易生命表の概況」によると、日本人の男性の平均寿命は81歳、女性の平均寿命は87歳となっています。
65歳からを老後、日本人全体の平均寿命を84歳と考えると、19年間あります。
介護費は平均月額8万3000円だったので、19年間の額を計算するとどうなるでしょうか。次章で試算してみます。