1. 【老後の生活設計】”全面的に公的年金頼り”は26.3%

2024年3月、厚生労働省年金局が公表した「生活設計と年金に関する世論調査」では、18歳から70歳以上の各世代の、老後の生活設計や年金に対する意識についてのデータを見ることができます。

「何歳まで仕事をしたいか、またはしたか」という問いには、約39%の人が「66歳以上」と回答。老後の生活設計については、「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる」が53.8%と最多でした。

「全面的に公的年金に頼る」と答えた人は26.3%。世代別にみると、18~29歳で8.2%、30~39歳で10.4%、40~49歳で16.3%、50~50歳で24.7%、60~69歳で28.5%、70歳以上で43.2%。シニア層ほど高くなっていることが分かります。

1.1 「老後に向け準備したい、またはした公的年金以外の資産」トップは「預貯金(67.6%)

「老後に向け準備したい、またはした公的年金以外の資産」

「老後に向け準備したい、またはした公的年金以外の資産」

出所:厚生労働省「生活設計と年金に関する世論調査(主な調査結果)」

また、「老後に向け準備したい、またはした公的年金以外の資産」のトップは「預貯金」で67.6%。そして「退職金や企業年金」が32.9%、「少額投資非課税制度(NISA)」が20.9%、「民間保険会社などが販売する個人年金」が14.5%と続いています。ちなみに世代別で見ても「預貯金」が全世代でトップとなっています。

また、「少額投資非課税制度(NISA)」は、18歳から29歳では37.6%、30~39歳では42.4% 40歳から49歳では31.0%ですが、その後は50歳~59歳で21.5%、60歳~69歳では14.3%、70歳以上で5.8%にまで下がります。

もちろん老後資金への意識は、年代によっても、そして個人によっても異なります。とはいえ、老後の生活を支える柱は多くの世帯にとって公的年金であることは確かであると言えるでしょう。

国民皆年金の日本。終身わたり受給できる老齢年金は、やはり老後の命綱です。とはいえ公的年金制度の決まりは複雑なものが多く、働き盛りの現役世代が知らないことも結構あります。

年金の意外な盲点ともいえる「年金からの天引き」もそのひとつ。次で丁寧に解説していきます。