6. 社会保険適用は悪いことだけではない
今までに紹介した要件をすべて満たす人は、2024年10月より社会保険に加入することとなります。
社会保険に加入することで今まで配偶者の扶養に入っていた人も、新たに社会保険料の負担が生じることになります。
そのため、社会保険加入に対してマイナスのイメージのみを持っている人もいるでしょう。
ただし、社会保険に入ることにはプラスの側面もあります。まず、健康保険に入ると「傷病手当金」と「出産手当金」の支給を受けることが可能です。
傷病手当金は、業務外の病気や怪我で会社を長期間休んだ場合に、給与の3分の2を最大1年6か月間もらえる制度です。
また、出産手当金は、出産のために会社を休んだ場合に、出産前42日から出産後56日まで給与の3分の2をもらえます。
さらに、厚生年金に入ることで老後にもらえる年金が増えます。
例えば、年間給与120万円の人が25年間加入を続ければ、年金を年間14万9200円追加でもらえます。
社会保険の適用に反対する気持ちもわかりますが、決まってしまったことはどうしようもありません。
プラスの面も考慮しながら、家計やライフプランニングの見直しをしてみてはいかがでしょうか。
6.1 ご参考:社会保険適用拡大チェックリスト
参考資料
- 厚生労働省・日本年金機構「社会保険適用拡大ガイドブック」
- 厚生労働省「社会保険適用拡大 特設サイト」(社会保険適用拡大対象となる事業所・従業員について)
- 厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」(社会保険加入のメリットや手取りの額の変化について)
- 厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」(パート・アルバイトのみなさまへ)
苛原 寛