2024年7月3日、一万円札、五千円札、千円札の3つの紙幣が新たなデザインへと改刷されました。

発行開始から1ヶ月が経ち、「少しずつ見慣れてきた」という人もいるのではないでしょうか。

新紙幣の発行に際して、改めて考え直しておきたいのがタンス預金についてです。

「新紙幣の発行はタンス預金をあぶり出すためだ」などと言われることもありますが、旧紙幣のままタンス預金をすることには問題があるのでしょうか。

本記事では、タンス預金を行っている人の割合について民間の調査結果をもとに紹介します。

記事の後半ではタンス預金の注意点についても解説しますので、家庭での資産の管理方法を見直すきっかけとして活用してみてください。

1. 「タンス預金がある」と答えた人は全体の約4割

そもそもタンス預金はどれくらいの人が行っているのでしょうか。

株式会社スガワラくんが35歳以上65歳未満の男女全国300人を対象に行った調査によると、「自宅で現金や財産を保管するタンス預金はあるか?」との質問に対して、「はい」と答えた人が41.7%にのぼっています。

1.1 タンス預金をする人の割合

ただし、その金額については「10万円未満」と答えた人が27.2%、「10万円~30万円未満」と答えた人が25.6%となっており、およそ半数の人がタンス預金とはいっても少額に留まっているようです。

1.2 タンス預金の用途

また、タンス預金の目的については「万が一に備えたい」と答えた人が72.0%となっており、ほとんどの人が突然の出費や不測の事態への備えを目的としていることが分かります。

  • 万が一に備えたい:73%
  • 自分の趣味や娯楽に使いたい:32%
  • 老後(将来)に備えたい:5.6%
  • 国に把握されたくない:3.2%
  • 家族や子供に資産を残したい:1.6%
  • その他:0.8%
  • 特に用途はない:12.8%

7月3日には新紙幣が発行されましたが、古い紙幣のままでタンス預金することに問題はあるのでしょうか。

2. 古い紙幣のままでタンス預金することに問題はある?

旧紙幣で保管していたタンス預金であっても、あわてて新紙幣への両替に持っていく必要はありません。

日本銀行はこれまで定期的に紙幣のデザインを変更していますが、法的に特別な措置が取られない限りは旧紙幣もそのまま使い続けることができます。

たとえば、1986年に発行が停止された聖徳太子の一万円札は、現在も紙幣として使うことが認められています。

そのため、旧紙幣でのタンス預金についてもそのまま保管することには何も問題がないといえます。

2.1 税金逃れが目的のタンス預金はNG

旧紙幣のままタンス預金を行うことには問題はないものの、税金逃れや所得隠しのためのタンス預金は当然認められていません。

後々税務調査が入った後にかえって税負担が大きくなってしまう可能性がありますので、所得は正しく申告することが大切です。

3. タンス預金にはデメリットも

タンス預金にはデメリットも3/3

引き出しにしまった紙幣の写真

metamorworks/istockphoto.com

タンス預金は、「キャッシュレス決済が使えないときの備えになる」などメリットがあるものの、その一方でいくつかのデメリットも存在します。

たとえば、災害や火災で失ってしまうリスクがそのひとつです。

通帳やキャッシュカードは紛失しても再発行してもらうことができますが、現金の場合は当然そういった手続きを行うことはできません。

タンス預金の金額が大きいほど、失ったときのリスクも大きくなることを理解しておきましょう。

3.1 今後は利息がつかないデメリットもある

日本では長らくマイナス金利政策が導入されていたため、金融機関の預金金利もほぼつかない状況でした。

そのため、「銀行に預けていても利息がつかないのだから、タンス預金でも変わらない」と考える人も多かったでしょう。

しかし、2024年3月にマイナス金利政策が解除され、各金融機関が預金金利の引き上げを行っています。

その後、7月31日にも追加利上げが決定されたことから、今後さらに預金金利が引き上がることも想定されます。

タンス預金はそういった利息の恩恵が受けられませんので、「お金を増やすことができない」といったデメリットはきちんと理解しておくことが大切です。

4. タンス預金はあわてて両替しなくても大丈夫

新紙幣が発行された後も、旧紙幣は引き続き使い続けることができます。

そのため、自宅で保管しているタンス預金もあわてて両替へ行く必要はありません。

ただし、「災害や火災で失うリスク」や「利息がつかないデメリット」についてはきちんと理解しておくことが大切です。

万が一の事態に備えてタンス預金を行う場合は、「突然の出費に耐えられる程度の金額」に留め、大きな金額を自宅で保管することは避けた方がよいでしょう。

参考資料