2024年7月3日、厚生労働省が公表した年金制度の財政検証の結果によると、2060年度に受け取れる年金の水準は現在の年金水準から約2割減という試算が出ています。
この試算結果は、2024年の現在から2060年までの約36年間で日本経済が過去30年間のように高い経済成長を遂げられず、賃金も上がらなかった場合を想定しての結果です。
仮に、経済が順調に成長して賃金も上がっていれば、年金受給額の水準も現在の水準と比べてそこまで減るというわけではありません。
しかし、今後の日本経済がどう成長していくのかや、賃金の水準がどう変化していくかについては誰にも予想することはできません。
将来については誰にも予想がつかないからこそ、最悪の場合を想定して将来に備えておくことは大事ですよね。
そこで、今回は現在のシニアが受け取っている年金額を見ていきながら、仮に将来の年金水準が現在の2割減になった場合を想定して、老後の備えの必要性について考えていきましょう。
1. 次回の年金支給が8月15日に迫る
年金は基本的に偶数月の15日に支給されるため、次回の年金支給日は8月15日です。
1.1 2024年度の年金額例
- 国民年金:満額で6万8000円(1人あたり)
- 厚生年金:一般的な夫婦合計で23万483円
2024年度は2.7%の増額改定となりました。
厚生年金は”平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」”という条件のもと試算されたものなので、あくまでも目安のひとつとなるでしょう。
次章では年齢ごとの年金受給額を見ていきます。