4. 令和の年金エイジたちの「お金事情」から現役世代が学べることとは?
今回は65歳以上の無職夫婦世帯の平均貯蓄額やひと月の生活費に関するデータを見てきました。
働くシニアや女性が増えるいま、年金財政はやや改善してきているものの、依然として少子高齢化や物価上昇の課題は残っています。
現役世代の方たちが老後年金生活を迎える頃には、年金財政や働き方改革などさまざまな要因によって、年金制度は改革されていく可能性があります。
年金のしくみを正しく知っておくことは大切ですが、公的年金だけに依存せず、自分自身で資産を管理しておくことも重要です。
ぼんやりと理想の老後生活のイメージを持たれている方は多いかと思いますが、実際どのぐらいの生活費を見込んでおけばいいのか、介護や住宅にかかる費用はいくら必要なのかなど、現実的な費用の部分まで心づもりをしておけると良いですね。
必要な資産額はそれぞれ理想とする老後のプランによって変わってきます。まずは、ご自身の理想の老後生活のために必要な資産を「見える化」するところからスタートしてみてはいかがでしょうか。
目標が定まれば、次はどのような方法で準備するかを考えましょう。NISAやiDeCoなど、資産形成を後押しする税制優遇制度を活用してみるのも一案。ただし、預貯金とは違い投資にはリスクがある点には留意が必要です。
まずはゆっくり、情報収集から始めてみましょう。老後資金作りは、先手先手で進めていくのがおすすめ。今回の記事が、安心できるセカンドライフに近づくためのヒントになればと思います。
5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
日本の公的年金制度は複雑で、多くの人がさまざまな疑問を抱えていることでしょう。ここでは、年金に関するよくある質問を取り上げ、その解答を解説します。
5.1 年金の主な種類と仕組みは?
日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。
国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する基礎年金で、厚生年金は会社員や公務員が加入するものです。
国民年金は一定の保険料を納付し、将来の年金額が決まるのに対し、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、将来の受給額にも差が出ます。
5.2 「繰下げ受給」とはどんな制度?
年金の受給開始年齢を遅らせることで、受給額が1カ月につき0.7%増える「繰下げ受給」があります。
例えば、65歳から受給を開始する予定を75歳0カ月まで繰り下げると、84%増額となります。これは、長期間働くことができる人や、他の収入源がある人にとって有利な選択肢となります。
5.3 年金を増やす方法はあるのか?
年金を増やす方法はいくつかあります。自営業やフリーランスの方は、国民年金の付加保険料を支払うことで、将来の受給額を増やせます。
また、厚生年金に加入する働き方に切り替えることも一つの方法です。
さらに、老後資金を増やすという意味では、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用して、自身で資産運用を行うのも選択肢です。ただし、運用にはリスクがあることに注意が必要です。