2. 「国民健康保険」と「任意継続」の保険料

国民健康保険と任意継続とでは、納める保険料が異なります。

国民健康保険は「前年所得・世帯構成」、任意継続は給与や手当の金額で決まる「標準報酬月額」が算定基準となります。

国民健康保険の保険料は、自治体ごとに異なります。加入時には、自治体のWebサイトや窓口で保険料がいくらになるか必ず確かめておきましょう。

札幌市を例に、国民健康保険料を見てみましょう。

2.1 札幌市:給与収入別「国民健康保険料」(単身世帯)の場合一例

給与収入:98万以下(所得:43万以下)

  • 医療分+支援金分:2万830円
  • 医療分+支援金+介護分:2万4880円

給与収入:100万以下(所得:45万以下)

  • 医療分+支援金分:3万7250円
  • 医療分+支援金+介護分:4万4550円

給与収入:200万以下(所得:132万以下)

  • 医療分+支援金分:18万1530円
  • 医療分+支援金+介護分:21万9340円

給与収入:300万以下(所得:202万以下)

  • 医療分+支援金分:26万9660円
  • 医療分+支援金+介護分:32万6580円

給与収入:400万以下(所得:276万以下)

  • 医療分+支援金分:36万2820円
  • 医療分+支援金+介護分:43万9940円

給与収入:500万以下(所得:356万以下)

  • 医療分+支援金分:46万3540円
  • 医療分+支援金+介護分:56万2500円

給与収入:600万以下(所得:436万以下)

  • 医療分+支援金分:56万4260円
  • 医療分+支援金+介護分:68万5060円

給与収入:700万以下(所得:520万以下)

  • 医療分+支援金分:67万20円
  • 医療分+支援金+介護分:81万3760円

給与収入:800万以下(所得:610万以下)

  • 医療分+支援金分:78万3330円
  • 医療分+支援金+介護分:95万1640円

給与収入:900万以下(所得:705万以下)

  • 医療分+支援金分:86万5460円
  • 医療分+支援金+介護分:103万5460円

一方、任意継続の保険料は、退職時の給料・手当額をもとにした「標準報酬月額」によって異なります。加えて、保険料は在職時の2倍になる点に注意が必要です。

会社で加入する社会保険の保険料は、会社と自身で保険料を折半して支払います。しかし、退職後は会社が費用を負担してくれないため、全額を自分自身で支払わなければなりません。

給料額によっては、国民健康保険よりも保険料が高くなる可能性があるため「どちらに加入するのがお得なのか」を考えて加入先を決める必要があります。

次の章では、退職後の健康保険の加入先を慎重に検討すべき背景のひとつである「健康保険組合の標準報酬月額の上限撤廃」の法改正について解説します。