2024年より新NISA制度が始まり、すでに半年が経過しました。

従来の一般NISAとつみたてNISAを統合したような制度設計になっており、非課税期間が恒久化されたことで長期的な資産形成を行いやすい仕組みとなっています。

資産運用の自由度が高まった一方で、投資にはリスクもあるため、どのように利用すべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。

今回は、さまざまな家庭の収支状況や変化にあった資産形成の活用事例を、シミュレーションを交えながら解説します。

1. 新NISA制度の概要をおさらい

新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠に分かれています。

積立投資枠は年間120万円まで、成長投資枠は年間240万円まで非課税で投資できます。

【写真全8枚中1枚目】新NISAの概要。2枚目以降では、NISAの活用事例とシミュレーション結果などを掲載。1/5

新NISA「つみたて投資枠」「成長投資枠」の概要

出所:金融庁「NISAを知る」

制度全体で利用できる非課税枠は1800万円で、うち成長投資枠は1200万円です。

なお、成長投資枠を使わず、すべてつみたて投資枠を利用することも可能です。

つみたて投資枠で購入できる金融商品は、金融庁から認められた投資信託に限られます。

一方、成長投資枠では投資信託以外にも上場株式やETF、REITなどに投資できます。

自分が購入しようと考えている金融商品に応じて、枠を使い分けましょう。

次の章からは、おすすめの「新NISA活用パターン」についてそれぞれ解説していきます。

2. 新NISAの活用事例:年間投資枠を活用、途中売却すると…シミュレーション

毎月どれだけ投資に回せるか、そしてライフイベントにどう備えるかは世帯それぞれでしょう。

今回の記事ではおすすめの「新NISA活用パターン」について解説していきます。

2.1 少額投資で長期間、じっくり積み立てるパターン

長期間にわたって、継続的に少額で積立投資を行いたい方はつみたて投資枠で毎月一定額を積み立てるといいでしょう。

たとえば、毎月3万円をつみたて投資枠を活用して投資した場合、以下のようなシミュレーション結果となります。

【新NISA】少額投資で長期間積み立てるパターン2/5

【新NISA】コツコツ長期継続パターン

出所:金融庁「NISAの活用事例」

  • 投資元本〈つみたて投資枠〉3万円✕12ヶ月✕40年=1440万円
  • 元本+運用損益〈投資期間中の運用利回りが一律3%の場合〉約2778万円(投資元本の約1.9倍)

投資のタイミングを探らず、機械的に投資を継続できます。

長期間にわたって投資をすれば、資産形成を進められるでしょう。

2.2 短期間で「投資上限額」まで積立投資するパターン

手元資金に余裕があり、できるだけ早く非課税投資枠を埋めて運用期間を長期で確保したい方におすすめの方法が、短期間で投資上限額まで積立投資するパターンです。

たとえば、つみたて投資枠と成長投資枠それぞれを利用して「5年間」という短期間で年間上限額まで積立投資し、その後15年間保有するシミュレーション結果をみてみましょう。

【新NISA】成長投資枠も活用!一気に積立パターン3/5

【新NISA】成長投資枠も活用!一気に積立パターン

出所:金融庁「NISAの活用事例」

  • 投資元本:投資額累計1800万円
    〈つみたて投資枠〉10万円✕12ヶ月✕5年=600万円 ※15年間継続保有
    〈成長投資枠〉20万円✕12ヶ月✕5年=1200万円 ※15年間継続保有
  • 元本+運用損益〈投資期間中の運用利回りが一律3%の場合〉約3021万円(投資元本の約1.7倍)

最短5年で1800万円の枠を利用できるため、高収入な方や手元資産が豊富な方は検討する選択肢の一つといえます。

2.3 途中売却しながらも、積立は継続する資産形成パターン

積立投資を継続しつつ、お金が必要になったタイミングで取り崩して資産運用を継続する方法です。

臨機応変にお金を取り崩しつつ、長期的に資産形成を行いたい方に向いているといえるでしょう。

たとえば、つみたて投資枠で月額5万円を積立して10年経過したタイミングで100万円を取り崩し、その後も10年間積立投資を継続したパターンでは、以下のようなシミュレーション結果となります。

【新NISA】途中売却しても続けて資産形成パターン4/5

【新NISA】途中売却しても続けて資産形成パターン

出所:金融庁「NISAの活用事例」

  • 投資元本:投資額累計1200万円
    〈つみたて投資枠〉5万円✕12ヶ月✕10年=600万円
    ※途中売却、残りは10年間継続保有
    〈つみたて投資枠〉5万円✕12ヶ月✕10年=600万円
  • 元本+運用損益〈投資期間中の運用利回りが一律3%の場合〉約1503万円+途中売却額100万円

資産運用の途中で、子どもの進学や住宅ローンの繰り上げ返済など、お金が必要になる事態が考えられます。

この方法でNISAを活用すれば、資金ニーズに対して柔軟に対応できるでしょう。

2.4 無理のない範囲で積立投資額を徐々にアップさせるパターン

若くて投資に回せるお金の余裕がなくても、無理なく積立投資を継続できるのがこのパターン。

初心者の方でもスタートしやすい少額の積立投資から、収入の増加や余裕資金の確保状況に合わせて積立金額を増やす方法です。

【新NISA】収入の増加にあわせて積立金額もUP!パターン5/5

【新NISA】収入の増加にあわせて積立金額もUP!パターン

出所:金融庁「NISAの活用事例」

  • 投資元本:投資額累計1500万円
  • 〈つみたて投資枠〉1万円✕12ヶ月✕5年(1~5年目)
  • 〈つみたて投資枠〉3万円✕12ヶ月✕5年(6~10年目)
  • 〈つみたて投資枠〉5万円✕12ヶ月✕5年(11~15年目)
  • 〈つみたて投資枠〉7万円✕12ヶ月✕5年(16~20年目)
  • 〈つみたて投資枠〉9万円✕12ヶ月✕5年(21~25年目)
  • 元本+運用損益〈投資期間中の運用利回りが一律3%の場合〉約1959万円(投資元本の約1.3倍)

たとえば、月収20万円の頃は1万円を積立投資に回し、月収30万円の頃は2万円を積立投資に回すイメージです。

収入の増加に合わせて積立金額を増やすことで、期待できるリターンも増やせます。

3. まとめにかえて

新NISAは旧NISAよりも利便性が向上し、さまざまな資産運用方法を行えます。

NISAは運用益が非課税になるため、投資する際には活用すべき制度といえるでしょう。

積立投資だけでなく一括投資も行えるため、自身の年齢や資産状況、リスク許容度に応じて最適な方法を選択しましょう。

参考資料