3.3 年金の繰り下げ受給
iDeCoとNISAで資産形成を行うことは大切ですが、終身にわたって受け取れる公的年金額を増やすことも検討しましょう。
繰り下げ受給を行えば、65歳時点で受け取れる年金額に対して1ヶ月あたり0.7%増額された年金を一生涯受け取れます。
つまり、70歳で受給開始すれば42%増額された年金を受け取れます。
現行制度では75歳まで繰り下げ受給できるため、最大で84%増額した年金を受け取ることが可能です。
ただし、繰り下げ期間中は年金を受け取れません。働いて勤労収入を得たり、iDeCoやNISAで運用した資産を受け取ったりする方法で生活を支える必要があります。
4. まとめ:年金世帯への給付金も検討されるが、自助努力が重要
6月21日の岸田総理の記者会見では「低所得世帯」や「年金世帯」へ追加給付金の支給を検討すると公表。
記者会見では「デフレからの脱却」のために賃上げの反映や定額減税による所得増加に期待がかかると述べていました。
一方、物価水準に収入が追いつかない年金世帯などは依然厳しい状況であると指摘。きめ細かな支援のため、二段構えでの対策を講じると表明しています。
二段構えの対策の「第二弾」として検討されているのが、物価高による食費などの高騰に苦しむ年金世帯や低所得者世帯への追加給付金です。
秋頃の策定を予定しており、現時点で詳しい内容は明かされていませんが、引き続き動向を注目したい議題ですね。
さて、公的年金制度に否定的な感情を持っている方もいますが、公的年金だけで豊かな生活を送れるとは限りません。
自助努力による資産形成を行う重要性が高まっている点も事実。政府としても、税制優遇制度があるiDeCoやNISAを用意して国民の資産形成を後押ししています。
利用できる制度は利用を検討して、老後生活に向けた不安を軽減しましょう。
参考資料
- WeCapital株式会社「【あなたはどっち?】「未来のお金」or「今のお金」約2人に1人は老後資金の準備を始めている!今すぐできる資産運用とは?」(PRTIMES)
- WeCapital株式会社「「年金への期待」に関する意識調査」
- 厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「は行 報酬比例部分」
- iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)のメリット」
- 金融庁「NISAを知る」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見(2024年6月21日)」
柴田 充輝