2. 65歳以上・無職世帯の収支状況
2023年の総務省の調査によると、65歳以上・無職世帯の平均的な収支状況は次のとおりです。
- 社会保障給付:21万8441円
- その他収入:2万6139円
- 実収入合計:24万4580円
- 非消費支出(税金支払いなど):3万1538円
これにより、可処分所得は21万3042円になります。
消費支出が25万959円なので、月次の平均収支は▲3万7916円です。
※ただし各費用内訳は、実学ではなく出所から取れる小数第一位までの比率を元に逆算しているため、四捨五入の都合上若干の誤差が生じる、また合計と内訳が合わない場合があります。
無職世帯では、平均で月間3万8000円ほどの赤字となっていることがわかります。
金融資産が充分にあれば、貯蓄を取り崩して無職のままで生活できますが、貯蓄が心許なければ仕事を続けて所得を確保する必要があります。
厚生年金の場合、年金額の受取額は現役時代の納付額や納付期間によって変わります。
受給額が平均を下回っていて、さらに生活費を賄えない世帯もあるでしょう。
次の章では、ゆとりのある老後生活を送るための具体的な対策について解説します。
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)