2. 日本で貯蓄格差がなぜ広がるのか

ここからは日本で貯蓄格差が広がっている原因について考察していきます。

2.1 同じ収入でも資産運用の有無で貯蓄額に差が出る

同じ収入の人でも、そのお金をどう運用するかで資産額は変わってきます。

収入のうち、生活費に使わなかった金額を銀行預金として置いておくのと、株式や投資信託のようなリスク性資産で運用をするのとでは大きな差が出てきます。

例えば、利回り3%の商品を月に1万円、20年間積み立て投資をしたというシミュレーションをします。

【20年間】利回り3%の商品を月1万円積み立てるとどうなる?

【20年間】利回り3%の商品を月1万円積み立てるとどうなる?

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

シミュレーションの結果、元本240万円に運用による利益の88万円が重なり、運用資産は328万円となりました。

利回り0%の場合だと240万円のみとなるため、同じ元本でも資産運用をしているかしていないかで大きな差が生まれてしまいます。

資産運用は将来的に大きな資産を築く期待が持てる一方で、元本割れリスクも存在します。

シミュレーションどおりに運用が進めばよいのですが、マイナスとなる年もあることを理解しておきましょう。