岸田総理は2024年6月21日の記者会見で、年金(生活)世帯や低所得者世帯に追加の給付金を支給すると発表しました。
実施は秋ごろを予定しているとのことです。
しかし、年金世帯や低所得者世帯に限らず、一般の世帯でも苦しい生活を余儀なくされている人がいることも事実です。
生活の貧富だけではなく、富裕層と貧困層では貯蓄をはじめとした保有資産の格差も広がっています。
今回は50歳代の貯蓄額データから、日本の貯蓄格差や資産形成の方法について考えていきます。
1. 50歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額
まずは金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、50歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認してみましょう。
- 金融資産非保有:27.4%
- 100万円未満:9.1%
- 100万~200万円未満:6.4%
- 200万~300万円未満:3.8%
- 300万~400万円未満:3.9%
- 400万~500万円未満:3.8%
- 500万円~700万円未満:5.6%
- 700万~1000万円未満:5.5%
- 1000万~1500万円未満:8.9%
- 1500万~2000万円未満:4.2%
- 2000万~3000万円未満:5.4%
- 3000万円以上:11.2%
平均:1147万円
中央値:300万円
50歳代・二人以上世帯の貯蓄の平均額は1147万円、中央値は300万円でした。
中央値はちょうど真ん中の値になるので、貯蓄が300万円未満の世帯が半数いるということになります。
平均が1000万円を超えているのに対して、中央値が300万円ということはそれだけ上位層が平均を引き上げるだけの貯蓄を持っているということになり、格差が広がっているということがわかります。
では、なぜこのような貯蓄格差が広がっているのでしょうか。考えられる理由を考察していきます。