厚生労働省が2024年7月8日に公表した「毎月勤労統計調査 令和6年5月分結果速報」によると、基本給にあたる所定内給与が2023年5月比で2.5%増となりました。
31年ぶりの伸び率となりましたが、世帯年収が1000万円以上になった人は増えたのでしょうか。
今回は、世帯年収1000万円以上の割合や手取りがいくらになるのか解説します。
記事の後半では、世帯年収1000万円以上の生活費がいくらになるのか解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 年収1000万円以上の割合をケース別に確認
年収1000万円以上の割合と、世帯年収が1000万円以上の割合について確認します。
1.1 年収1000万円以上の割合
国税庁が2023年9月に公表した「民間給与実態統計調査」によると、給与所得者で平均年収が1000万円以上となった人の割合は、全体の5.4%でした。
年収1000万円以上の給与所得者の割合の推移は、以下のとおりです。
- 2022年:5.4%
- 2021年:5.0%
- 2020年:4.7%
- 2019年:5.1%
過去の結果と比較すると、どの年でも5%程度で推移しています。
では、世帯年収が1000万円を超えている割合を確認しましょう。
1.2 世帯年収1000万円以上の割合
厚生労働省が2024年7月5日に発表した「2023年 国民生活基礎調査」によると、世帯年収が1000万円を超えている割合は、全体の11.6%でした。
年収1000万円以上の給与所得者の割合と比較すると、約2倍となっています。
自分ひとりで年収1000万円以上を稼ぐより、世帯で年収1000万円を目指すほうが容易であると言えます。
とはいえ、およそ10世帯に1世帯しか世帯年収が1000万円を超えていない実態なので、簡単に目指せる目標ではないでしょう。
次章では、年収1000万円の人の手取りと、世帯年収1000万円の世帯の手取りに違いがあるのか確認します。
2. 年収1000万円と世帯年収1000万円で手取りは違う?
年収1000万円以上の人の手取りと、世帯年収1000万円以上の世帯の手取りについて確認します。
以下の家族構成をケースにしてそれぞれ確認しましょう。
- 3人世帯(夫、妻、中学生の子)
- 年収1000万円のケース:夫の年収1000万円 妻は専業主婦
- 世帯年収1000万円のケース:夫と妻の年収はいずれも500万円
- 社会保険料は年収の15%で計算
それぞれのケースで手取り額に違いがあるのか確認します。
2.1 年収1000万円の手取り
年収1000万円の夫の場合、年収から控除される社会保険料や税金を計算すると、以下のとおりです。
- 所得税:約71万円
- 住民税:約60万円
- 社会保険料:150万円
手取りの年収は、約719万円になりました。
- 1000万円-(71万円+60万円+150万円)=719万円
月収に換算すると、約60万円が手取りとなります。
では、世帯年収1000万円のケースで確認しましょう。
2.2 世帯年収1000万円の手取り
年収500万円の夫婦の場合、年収から控除される社会保険料や税金を計算すると、以下のとおりです。
- 所得税:約14万円
- 住民税:約24万円
- 社会保険料:75万円
手取りの年収は、約387万円になりました。
- 500万円-(14万円+24万円+75万円)=387万円
月収に換算すると、1人あたり約32万円が手取りとなります。
夫婦で計算すると、約64万円となりました。
1人で年収1000万円を稼ぐより、世帯の手取り額が約4万円増えています。
では、世帯年収1000万円以上の生活費がいくらかかっているのか確認しましょう。
3. 世帯年収1000万円以上の生活費は?
総務省統計局が2024年2月6日に調査した「家計調査(家計収支編)」によると、世帯年収1000万円以上の家庭における支出は、月40万円を超えていました。
- 1000万円以上1250万円未満:40万1095円
- 1250万円以上1500万円未満:45万9341円
- 1500万円以上:54万5687円
世帯年収が1000万円を超えると、生活水準を上げてしまいがちです。
しかし、年収が増えると所得税や住民税の課税額も重くなるので、無理のない生活水準をキープする必要があります。
ライフプランやキャッシュフローを活用して、収入と支出のバランスに問題がないか確認しましょう。
4. 10世帯に1世帯は世帯年収1000万円を超え
年収1000万円以上の人の割合と、世帯年収1000万円以上の世帯の割合や手取りを比較して解説しました。
世帯年収1000万円以上の世帯の割合は、およそ10%となっています。
年収1000万円以上の人の割合と比べると、約2倍の結果となりました。
冒頭で説明した賃金の伸び率が増加していることもあり、世帯年収1000万円を超える人の割合は今後増える可能性があります。
しかし、実質賃金は過去最長の26ヵ月連続マイナスとなり、まだ物価の伸びに賃金が追いついていない状況です。
今後、賃金がどのような推移をたどるのか、引き続き注目が集まります。
参考資料
川辺 拓也