いよいよ8月に入り、厳しい猛暑とともに冷房などの電気代や生活必需品の物価高が家計に重くのしかかっています。
さらに今年度からは「子ども・子育て支援金」の徴収が本格的にスタートし、現役世代だけでなく高齢世代の負担増も避けられない状況です。
そんな目まぐるしく変わる経済環境のなかで、老後家計の大きなウエイトを占めるのが「医療費」です。とくに75歳以上が加入する「後期高齢者医療制度」では、所得によって窓口負担が1割〜3割と大きく変わります。
今回は、老後の安心を左右する医療費の自己負担割合の決まり方を分かりやすく解説します。
1. この記事の3つのポイント
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75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の窓口負担は、所得等に応じて「1割・2割・3割」に分類される。 -
負担割合は個人単位ではなく、同じ世帯の75歳以上「全員の年金収入やその他の所得」を合算して判定される。 -
高齢になるほど通院費や薬代など継続的な支出が増え、75歳以上の医療費は65歳未満の約4倍にのぼる。
2. 75歳から加入する「後期高齢者医療制度」のしくみ
後期高齢者医療制度は、75歳以上の人を対象とした公的医療保険制度です。
75歳になると、それまで加入していた健康保険の種類や働き方に関係なく、原則として後期高齢者医療制度へ移行します。
また、65歳以上74歳以下で一定の障害認定を受けている人は、本人が申請することで加入できます。
制度への切り替えにあたって、原則として本人が手続きを行う必要はありません。
資格確認書などは、住んでいる都道府県の広域連合から交付されます。
制度へ加入すると、医療機関で支払う窓口負担割合は一律ではなく、所得や住民税の課税状況に応じて1割・2割・3割のいずれかになります。
そのため、所得状況によって医療費の自己負担額は異なります。次に、自己負担割合の決まり方を確認していきましょう。
3. 負担割合「1割・2割・3割」のボーダーライン
後期高齢者医療制度では、所得に応じて医療費の自己負担割合が決まります。
負担割合は世帯単位で判定され、1割・2割・3割の3区分に分けられています。
1割負担となる人
2割負担または3割負担の条件に該当しない人が対象です。
2割負担となる人
一定以上の所得がある一般所得者が対象です。
なお、制度開始時に設けられていた医療費負担の急増を抑えるための「2割負担の人への配慮措置」は、2025年9月末で終了しています。
3割負担となる人
課税所得や収入が一定以上あり、「現役並み所得者」と判定された人が対象です。
3つの区分の中で、最も自己負担割合が高く設定されています。
4. 盲点は「世帯全体」で判定されること
注意したいのは、窓口負担割合が「本人だけの所得」で決まるわけではない点です。
同じ世帯にいる後期高齢者全員の所得を合算したうえで判定されます。
たとえばご自身の収入が少なくても、同居する配偶者に一定以上の所得(課税所得145万円以上など)があれば、世帯全体が「現役並み所得者」とみなされ、ご自身の負担も3割になる可能性があります。
夫婦のどちらかに収入が集中している世帯は、単身世帯よりも基準を超えやすいため事前の確認が重要です。
ご自身の負担割合は、お手元の「後期高齢者医療資格確認書」やマイナポータルで確認できます。
5. 年齢とともに跳ね上がる医療費の実態。75歳以上は現役世代の4倍に!
厚生労働省の「令和5年度 国民医療費の概況」によると、1人あたりの国民医療費は、65歳未満が約22万円なのに対し、75歳以上は約95万円と、約4倍に達しています。
- 65歳未満:約22万円
- 65歳以上:約80万円
- 75歳以上:約95万円
年齢を重ねると高血圧や糖尿病といった慢性疾患が増え、日々の「通院費」や「薬代」が継続的に発生します。
一回あたりの額は少額でも、年間を通すと家計に与えるインパクトは決して小さくありません。
親の介護をしていた当時、医療費とともにかかる「通院時の交通費」の重さを痛感していました。
わが家の場合、公共交通機関を使うことが難しく、毎回のタクシー代が結構かさんでいたのです。
医療費が膨らむ老後、実は電車やバスの運賃はもちろん、歩行困難等で公共交通機関の利用が難しい場合のタクシー代も「医療費控除」の対象になります。
領収書が出ないバス代等も、利用日や運賃のメモで認められるケースが多いです。
こうした制度を隅々まで活用し、税負担を軽くする工夫が家計防衛には欠かせません。



