近年は60歳以降も働ける環境が整いつつあり、定年退職後も働く人が増えています。2024年10月には社会保険適用拡大が控え、フルタイムでなくとも厚生年金に加入できる条件が緩和されます。
定年後も働きたいと思うかどうかは人それぞれですが、中には「年金の受給額を増やすために長く働く」という人もいると思います。
では、長く働けば本当に年金額は増えるのでしょうか。
結論から申し上げれば、70歳まで働けば受け取れる年金額が増加します。しかし、注意点もあります。
今回は厚生年金の仕組みについておさらいし、年金額が増える理由について見ていきましょう。
1. そもそも厚生年金とは?
まず、厚生年金の基本的な仕組みを押さえておきましょう。
厚生年金は会社員や公務員などが加入する公的年金制度のことで、国民年金(基礎年金)に上乗せされる形で給付されます。
日本に住む20歳から60歳未満までの全ての人が加入対象となる国民年金とは異なり、厚生年金保険の適用を受けている企業に勤める70歳未満の方が対象となります。
保険料は勤務先と従業員がそれぞれ半分ずつ負担し、年金支給額は納付期間と収入に基づいて計算されます。