5.1 給与で源泉徴収されていても確定申告が必要?

給与から所得税が源泉徴収されていても、確定申告が必要な場合があります。たとえば、住宅ローン控除や医療費控除を受けるときです。

住宅ローン控除は控除を受ける初年度、医療費控除は控除を適用するたびに確定申告が必要となります。申告しないと控除を受けられず所得税の還付を受けられないため、控除を受けたい年には必ず申告しましょう。

また、給与と年金以外に20万円超の収入がある場合も、確定申告が必要です。

特に貸家を所有していたり株式投資をしていたりする際は、年間の収入が20万円を超える可能性が十分考えられます。

給与と年金以外に柱となる収入がある人は、確定申告の必要がないか、収入額をよく確かめておきましょう。

6. 確定申告に必要な書類一覧

確定申告の際に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 所定の確定申告様式(申告書第一表、第二表など)
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、住民票など)
  • 収入や必要経費がわかる「収支内訳書」(不動産所得がある場合)
  • 「譲渡所得の内訳書」(株式売却などの譲渡所得がある場合)
  • 控除を適用するための書類(保険料や医療費を支払ったことがわかる証拠書類や住宅ローン控除のための計算明細書)

必要経費を支払ったことがわかる書類以外は、国税庁のWebサイトに掲載されています。

書類の記入方法は国税庁のサイトを見たり、自治体管轄の税務署に相談したりしながら進めましょう。

7. まとめにかえて

給与と年金を両方受け取っている人は、400万円超の年金を受け取っている人や、給与・年金以外に20万円超の収入がある人でなければ、原則確定申告の必要はありません。

働きながら年金を受給している人は、年間の年金受給額がいくらかを注視しておきましょう。

一方、所得税がかからなくても申告する必要がある場合や別途住民税の申告が必要な場合もあります。

「自分が確定申告する必要があるかどうか」を見極めて、漏れのないように申告手続きをしましょう。

参考資料

石上 ユウキ