5. 年金受給者で確定申告が必要な人の条件
年金受給者で確定申告が必要な主要ケースは、以下のとおりです。
〈所得税の還付を受けたい人〉
年金から所得税が天引きされている人で、以下に当てはまる人
- 住宅ローンを組んでマイホームを取得した場合
- 一定額以上の医療費を支払った場合
- 災害や盗難などの被害にあった場合
〈各種控除を受けたい人〉
公的年金などに係る雑所得のみがある人で「公的年金などの源泉徴収票」に記載されている控除のうち、社会保険料控除や配偶者控除、扶養控除、基礎控除以外の各種控除の適用を受ける場合
例:生命保険料控除や損害保険料控除、医療費控除など
〈年金以外に収入が20万円超ある人〉
以下のような収入が20万円超ある人
- 不動産の貸付による収入
- 個人年金保険による年金収入
- 生命保険の契約期間満了による満期返戻金
- 上場株式の売却利益や配当金 など
〈給与所得がある人〉
以下に当てはまる人
- 給与収入が2000万円を超えている人
- 給与を2カ所以上から受け取っており、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合、年末調整をされなかった給与の収入金額と所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円超の人
同族会社の役員やその親族などで、その同族会社から給与のほかに、貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている方など
住宅ローンを組んで家を建てた場合や一定額以上の医療費を支払った場合、災害や盗難などの被害に遭った場合は、所得税の還付を受けられる場合があります。この場合は、確定申告をして最終的な税額を確定する必要があります。
また、収入が年金所得のみの人で、生命保険料を支払っている人や医療費を支払った人は、控除を活用すれば税額を下げられます。控除を適用する際にも、確定申告が必要です。ただし、給与を受け取っている人は年末調整で控除が適用できる場合があります。
加えて、前述のように年金以外に収入が20万円超ある場合も、確定申告をしなければなりません。主な収入としては、以下のものが考えられます。
- 不動産の貸付による収入
- 個人年金保険による年金収入
- 生命保険の契約期間満了による満期返戻金
- 上場株式の売却利益や配当金
など
「生命保険が満期を迎えてお金が戻ってきた」「株式を売って儲けられた」という人は、その年に限り確定申告が必要な場合があります。
さらに、収入が年金と給与のみでも、給与収入が2000万円を超える場合や給与を2カ所以上から受け取っていて、合計額が20万円を超える人などは、確定申告が必要です。
確定申告が必要にもかかわらず申告しなかった場合、延滞税や税金の加算などのペナルティが課される場合があります。特に一時的に収入が増えた場合は申告対象となる場合があるので、必ず年間収入額を控えておくようにしましょう。