2. 年金額が改定される仕組み

年金額は、賃金や物価の変動率に応じて改定されます。

毎年度改定されており、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合は、名目手取り賃金変動率が用いられます。

また、現役世代の人口減少や年金受給者の平均余命の伸長に伴って「マクロ経済スライド」が導入されました。

マクロ経済スライドは年金財政の悪化を回避するために、年金の給付水準を調整する仕組みのことです。

2024年6月の改定率は、上記の物価変動率や名目手取り賃金変動率などの指標を用いて算出されました。具体的には、以下の計算が行われています。

名目手取り賃金変動率は「実質賃金変動率(2022〜2024年度の平均)▲0.1%+物価変動率(2023年度の値)3.2%+可処分所得割合変化率(2021年度の値)0.0%=名目手取り賃金変動率3.1%」となります。

マクロ経済スライドによる調整率は「公的年金被保険者総数の変動率(2022〜2024年度の平均)▲0.1%+平均余命の伸び率(定率)▲0.3%」によって、▲0.4%と導き出せます。

そのため、年金の改定率は「名目手取り賃金変動率3.1%-マクロ経済スライドによる調整率▲0.4%=2.7%」です。

なお、前述したように受給できる年金額はこれまでの納付額によって異なります。

年金受給者の平均受給額はいくらになるのでしょうか。