4. 老後に向けて資産形成を進めておこう
今回紹介したように、たとえ現役時代の年収に比例する傾向のある厚生年金でも、月30万円以上を受給するのは難しいことがわかります。
現役世代に高収入を得ていた人の場合、収入が急減して家計維持が難しくなるリスクもあるでしょう。
そこで、早い内から老後に向けて資産形成を進めておくことが重要になります。
iDeCoや企業年金の制度を活用して、さらに年金受給額を増やすのが得策です。
また、NISAなどで投資を行って、老後資産を形成する方法もあります。
公的年金以外の資産形成を進めておけば、よりゆとりのある老後生活を送ることができるでしょう。
5. 年金のよくある質問(FAQ)
ここでは年金にまつわる「よくある質問」について見ていきます。
5.1 Q1. 国民年金の第1号被保険者とはなんですか?
A1. 国民年金は働き方等により、第1号被保険者~第3号被保険者にわけられます。
- 第1号被保険者:自営業者や20歳以上の学生、無職などが対象。国民年金保険料の納付義務がある
- 第2号被保険者:会社員や公務員などが対象。国民年金保険料を直接納めることはない
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者。国民年金保険料を直接納めることはない
5.2 Q2. 自分の基礎年金番号はどこで確認できますか?
A2. 会社員の方は、勤務先で確認することができます。
もしくは基礎年金番号通知書、年金手帳(青色)、国民年金保険料の口座振替額通知書、国民年金保険料の納付書や領収書、年金証書、年金額改定通知書等の通知書等でも確認できます。
5.3 Q3. 月の途中で転職すると、厚生年金保険料はどうなりますか?
A3. 資格取得した月の保険料から支払う必要があります。
保険料は月単位で計算するので、月の途中で退職した場合は前月分までを納めます。月の途中で新しい会社に入社した場合、その月から保険料を支払います。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「1.国民年金保険料の金額」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「自分の基礎年金番号の確認方法を教えてください。」
- 日本年金機構「月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。」
太田 彩子