子育てしやすい自治体を掲げる場合、「保育施設の充実」「医療費無料」「給食費無償化」などを掲げて移住者を増やす政策が行われています。子どものいる家庭の経済負担を軽減させる狙いがありますが、「子育てにかかるお金の問題」は子育て世代にとって大きなテーマです。
成長すると今度は公立校か私立化という選択も家庭の経済事情を踏まえて進路進学を考えるようになります。
子どもの進学で一番お金が抑えられるのは「公立コース」です。義務教育期間である小中学校はもちろんのこと、高校でも「公立は私立に比べるとお金がかからない」というイメージが強いです。
しかし、公立でも予想外の出費はあります。そうした隠れた教育費はどのようなもので、どのような時にお金がかかるのか考えていきます。
1. 【公立でもかかる教育費】オール無料とはいかない公立小学校
文部科学省が行った「令和3年度 子供の学習費調査」によると、公立小学校に通う子供の1年間の学校教育費は6万5974円という結果になりました。公立小に通う子どもが2人いる家庭であれば2倍かかります。
学校教育費の一番多くを占めているのが学校給食費で、3万9010円となっていますが、しかし、給食費は自治体により異なるため文部科学省の調査結果よりも高いことも珍しくありません
制服のある公立小学校もありますが、そうではない場合は私服で通う小学校の方が多く、通学用の帽子、体操着以外は学校指定の物も少なく、そういう場合は出費が少なく済みます。
しかし、入学準備として算数セット、防災頭巾、絵具セット、鍵盤ハーモニカなどの購入で1年生は予想以上にお金がかかることもあります。しかし、学年が上がってからも書道セット、家庭科で使う裁縫セットや教材、実験キットなどの教材費は発生し、その都度支払いをします。
公立小の学校生活では、算数セット、体操着や絵の具セットは兄姉のお下がりで済ませられるものもあります。しかし、実験キットといった授業で使用する教材は学習指導要領に合わせたものにマイナーチェンジをしていることもあり、学校側が一括購入をして全生徒が同じものを使うため支払いは避けられません。
そして学年が上がると校外学習の回数も増えてバス代などの交通費を支払う回数も増加。しかも、昨今の燃料費高騰もありバス代も上昇傾向が続いており「思ったよりもかかる」ということがしばしば起きます。
このように「公立小に通うからお金はほとんどかからない」と思っていると、意外とお金がかかることに驚く方も少なくないです。
2. 【公立でもかかる教育費】中学に進学すると制服や部活関連での出費が増加
中学では部活動の存在が大きく、家庭によって教育費の支出が変わりやすい2/5
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公立小以上に隠れた教育費が発生しやすいのが中学校です。公立中学に通う子供の1年間の学校教育費は13万2349円と小学校の2倍程度増加します。
同じ義務教育期間ですが、私服から制服着用になり制服代という大きな出費が入学前に発生します。
この他にも上履きや体育館用の上靴も学校指定となります。そして、金額も決して安くはありませんし。学校の運動着も名前を刺繍するタイプだと近所のお兄さん、お姉さんのお下がりをもらうことも難しくなります。
給食費は3万7670円と小学校時代と比べて大差はありませんが、中学では部活動の存在が大きく、家庭によって教育費の支出が変わりやすいです。
運動部、部費はもちろんのこと強豪校であれば遠征や練習試合での移動もあります。親が車を出してもガソリン代は家庭の負担となります。この他、どのスポーツでも専用の道具やシューズの準備は必須です。
親世代には馴染みのなかった部活オリジナルのシャツやウィンドブレーカーを作り、購入するケースも珍しくありません。子どもが中学に進学すると「小学生の頃よりもかかる」と感じる方は少なくないです。
そして、運動部に比べて部費が抑え気味な文化部でも吹奏楽部の部費は楽器のレンタル代や修繕費、楽譜代も含まれるため、決して安くはないです。吹奏楽部や合唱部は強豪校になればエリア大会や全国大会出場をし、宿泊費が発生します。
夏休みは部活を引退した3年生を送る会や、結束力の強い部活ではみんなで遊びに行く機会もあり「臨時出費」も起きやすいです。
公立中学でも入部する部活次第では「公立だけど負担が大きい」ということになる可能性もあります。
3. 【公立でもかかる教育費】修学旅行の支払いが積み立ててではないことも
親にとって気になるのが修学旅行などの旅費3/5
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小学校6年、中学3年生では学校生活の中でも大きなイベントである修学旅行に行きます。子どもにとっては楽しい行事ですが、親にとって気になるのが旅費です。
公益財団法人 全国修学旅行研究協会が今年2月に公表した「2023(令和5)年度 修学旅行の実施状況調査」によると、2泊3日の修学旅行にかかる生徒ひとりあたりの旅費は5万8461円から6万7880円でした(国内2泊3日で修学旅行を実施した2912校を対象として算出)。
修学旅行の旅費は毎月数千円ずつ積み立てる旅行基金の制度をとっている学校もあれば、一括または数回に分けて旅費を支払うことになっている学校もあります。後者の場合はまとまったお金を各家庭で準備する必要があります。
行き先により金額も上下しますが、物価高の高騰も受けて修学旅行にかかる費用は今後も上がると考えるのが無難です。
旅費の他にもお小遣いや交通費なども発生するため、子どもが無事に修学旅行に参加するためには数年単位で計画的に貯蓄していく必要があります。
4. 公立での隠れ教育費を頭に入れておく
学用品購入を支援する制度もあるので要チェック5/5
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小学校に入る前、中学に入る前というのは何かと出費がかさみます。親の方もある程度覚悟をしていますが、入学してからも「えっ、支払いがあるの」「こんなにかかるんだ」と感じることが多々あります。
とくに中学生になると部活動に入れば多少なりとも急なお金の出費を覚悟する必要があります。本来、子どもの入りたい部活に入らせるのが一番ですが家庭の事情によってはそうともいかない難しさもあります。
学校で練習するだけの部活なら活動費は抑えられますが、対外試合や遠征での交通費、大会の後の打ち上げがあれば部費以外にお金の収集があります。
結束を高めるためにお揃いのシャツや練習着を作ることもあり、「練習着は学校の体操着で済ませていた」という親の経験が通用しないこともあるので、「あの部活はどのくらいお金がかかるのか」という情報を集めておくのが無難です。
また、学用品購入を支援する制度もあります。国や自治体独自の就学援助制度について自治体に相談、申請してみてください。
参考資料
中山 まち子