3. 加給年金の受給例
以下の2つのケースの加給年金の受給例を計算してみましょう。
3.1 <ケース1>
- 厚生年金受給権者:66歳(昭和33年5月1日生)
- 配偶者:62歳(条件を満たしている)
加給年金額=23万4800円+特別加算17万3300円=40万8100円
3.2 <ケース2>
- 厚生年金受給権者:66歳(昭和33年7月1日生)
- 配偶者:57歳(条件を満たしている)
- 子ども:17歳(条件を満たしている)
加給年金額=23万4800円+特別加算17万3300円+23万4800円=64万2900円
4. 年金制度改正による加給年金の支給停止条件
加給年金は、配偶者が厚生年金や障害年金を受給するようになると支給停止されます。
さらに、年金制度の改正により令和4年4月以降は、配偶者が厚生年金を実際に受給していなくても、受給する権利がある場合(在職による支給停止など)は加給年金は支給停止となります。
ただし、以下の要件を満たす場合は、引き続き支給される経過措置がとられています。
- 令和4年3月時点で、本人の老齢厚生年金または障害厚生年金に加給年金が支給されている
- 令和4年3月時点で、配偶者が厚生年金保険の被保険者期間が240月以上ある老齢厚生年金等の受給権を有しており、全額が支給停止されている
5. まとめにかえて
厚生年金を受給している方に、一定の条件を満たす配偶者や子どもがいる場合、厚生年金に加給年金が加算されます。厚生年金受給者世帯の経済的な負担を軽減することを目的としたものであるため、該当する方は忘れずに申請しましょう。
また、年金制度改正により令和4年4月以降は加給年金の停止条件が厳しくなっています。判断が難しい場合や相談したいことがある場合などは、お近くの年金事務所や年金ダイヤルに問い合わせてみましょう。
参考資料
木内 菜穂子