皆さんは何歳まで働きたいと考えているでしょうか。以前は60歳に退職し、年金を収入源として老後生活を送ることが一般的だったかもしれませんが、現在は違います。

「70歳雇用」が企業の努力義務になるなど、働ける間はなるべく長く働きたいという人が増えているのが現実です。

その背景の1つに将来の年金受取に対する不安が挙げられますが、実際のシニア世代はいくら年金を受け取っているのでしょうか。

今回はシニア世代における国民年金と厚生年金の平均額について見ていきます。年金の仕組みについても解説いたしますので、将来の老後生活をイメージしながらご確認頂ければと思います。

1. 日本の公的年金制度「厚生年金」と「国民年金」とは?仕組みを確認

現役時代を、無職・専業主婦(夫)・自営業者・会社員・公務員など、どのように過ごすかによって、保険料の納付額や老後に受給できる年金額が大きく違ってきます。

そのため、まずは公的年金制度の基本的な仕組みについて解説していきます。

【写真全11枚中1枚目】日本の年金制度のしくみ。以降では60歳代~90歳以上まで1歳刻みで年金の平均受給額を紹介

日本の年金制度のしくみ

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

上図をご覧ください。

公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」があり、厚生年金は国民年金に上乗せする形で加入することから「2階建て」といわれています。

国民年金・厚生年金の加入対象者や保険料、老後に受給する年金額の決定方法はそれぞれ以下のとおりです。

1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)

  • 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
  • 保険料は全員一律(※2024年度は月額1万6980円)
  • 保険料の納付期間に応じて将来もらえる年金額が決まる(全期間納付すれば満額、未納や免除があれば満額から減額)

なお、国民年金は第1号被保険者~第3号被保険者に分類されています。第1号被保険者は自営業者や農業者などが該当し、自身で保険料を納付しなければいけません。

国民年金に上乗せして厚生年金にも加入する第2号被保険者と、第2号被保険者に扶養される配偶者である第3号被保険者は、第2号被保険者が加入する厚生年金制度にて国民年金保険料が負担されるため、別途、納付する必要はありません。

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入する
  • 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)・労使折半
  • 加入期間や保険料の納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる

では、具体的に厚生年金や国民年金の支給額はどれくらいなのでしょう。

年齢別・個人差という視点で詳しく見ていきます。まずは、60歳代~90歳以上までの年齢別から。