2024年6月26日、東京外国為替市場で1ドル=160円をつけました。37年半ぶりの「円安ドル高」です。

円安と聞くと、さらなる物価高騰を連想する人もいるでしょう。たしかに物価への影響は大きいですが、こうした変動は資産運用においてプラスの材料になることもあります。

円安や、今年1月にNISA制度が刷新されたことにより、資産運用に興味を持ち始めた方は少なくないでしょう。

そこで、本記事では新NISAの「つみたて投資枠」を活用した積立投資で、10年間で資産をいくら増やす期待がもてるのか「積立額1~10万円」×「想定利回り3~10%」でシミュレーションしていきます。

1. 新NISA「つみたて投資枠」と「成長投資枠」

2014年、個人の資産形成を後押しする制度としてNISA(少額投資非課税制度)が創設されました。

そしてその10年後となる今年1月、NISAは長期的な資産形成により適した内容に生まれ変わりました。

新NISAは毎月少しずつ積み立てる形で投資を行うのに適した「つみたて投資枠」と、ある程度まとまった資金を一括投資して成長を見守るのに適した「成長投資枠」に2つの枠があります。

【写真3枚】1枚目/新NISAのポイント、2枚目/新NISA積立投資シミュレーション結果

新NISAのポイント

出所:金融庁「NISAを知る」

1.1 【新NISA つみたて投資枠】

  • 非課税保有期間は無期限
  • 口座開設期間は無期限
  • 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
  • 年間投資枠は年間120万円
  • 非課税保有限度額(総枠)は最大1800万円
  • 非課税保有限度額(総枠)の再利用が可能

つみたて投資枠で投資できる商品は、金融庁が定める長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託です。

1.2 【新NISA 成長投資枠】

  • 非課税保有期間は無期限
  • 口座開設期間は無期限
  • 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
  • 年間投資枠は年間240万円
  • 非課税保有限度額は最大1200万円
  • 非課税保有限度額(総枠)の再利用が可能

成長投資枠で投資できる商品は投資信託や上場株式など。つみたて投資枠より投資可能商品の幅が広くなります。

新NISAでの運用を始めるには、銀行や証券会社などの金融機関でNISA口座を開設する必要があります。旧NISA口座をお持ちの方はそのまま新NISAにスライドするため改めての手続きは不要です。

投資対象商品は金融機関により異なるため、商品ラインナップが多いところや、投資したい銘柄が決まっている場合にはその銘柄を取り扱っている金融機関を選びましょう。

また、個別株は銀行では取り扱っていないため、証券会社でNISA口座を開設する必要がありますのでご注意ください。

投資初心者においては、つみたて投資枠で毎月少額を積み立てていく積立投資がおすすめです。

では、つみたて投資枠を活用した積立投資で、資産をどれくらいつくることができるのでしょうか。

次章でシミュレーションしていきます。