2024年1月19日に2024年度の年金額の例が公表され、今年度の年金額は前年に比べ2.7%の増額となりました。
増額分の年金を実際に受給できるのは、6月支給分の年金からとなっており、年金受給者にとっては受け取れる年金額が少し増えることについて助かるという声もあるようです。
しかし、多くの方にとっては昨今の物価高の影響から多少年金額が増えたところで、生活が楽になるかと言われるとそういう訳ではないと厳しい声をあげる人も。
では、実際いまのシニアが受け取っている年金額は一体いくらぐらいなのでしょう。
今回はいまのシニアの年金受給状況を見ていきながら老後生活への備えについて考えていきたいと思います。
1. 公的年金のしくみ
まずは、公的年金のしくみについて解説していきます。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
日本の公的年金制度は、2階建てで構築されています。
国民年金は自営業や学生は第1号被保険者、会社員や公務員は第2号被保険者、また第2号被保険者に扶養される配偶者は第3号被保険者となります。
このうち、第2号被保険者である会社員や公務員は、国民年金に上乗せして厚生年金にも加入します。
2階部分以外にもiDeCo、や個人年金保険などがありますが、これらは公的年金ではなく私的年金と呼ばれ、任意で加入できるものです。