3. 【130万の壁→106万円の壁に】短時間パートでも社会保険への加入義務が

51人以上の従業員がいる事業所に対して社会保険が適用されると、該当の事業所で働くパートやアルバイトも社会保険に加入する必要があります。

2024年10月以降は、以下のすべてに当てはまる人に社会保険が適用されます。

【写真1枚目/全3枚】社会保険の適用要件チェックリスト/副業・フリーランスも社会保険の対象に?次ページ以降で見る

社会保険の適用要件チェックリスト

出所:厚生労働省「社会保険適用拡大ガイドブック」

  • 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
  • 賃金が月額8万8000円
  • 2ヶ月を超えて雇用される見込みがある
  • 学生ではない

たとえば、従業員51人以上の企業で平日の午後1時から午後5時まで働き、月10万円の収入を受け取っているパートであれば、社会保険への加入が必要です。

また、社会保険加入にともない、年収の壁も130万円から106万円へと変わります。

51人以上従業員のいる事業所でこれまで社会保険が適用されなかったパートの人でも、年収が106万円を超えれば社会保険に加入します。

より低年収で手厚い社会保障を受けられるため、公的支援を活用しながら自分のライフプランを実現したい人には朗報といえるでしょう。

一方で、社会保険料の納付を避けたい人にとっては、年収106万円以上で自動的に扶養から外れてしまうため、稼げる年収額が130万円から106万円に下がってしまいます。

扶養に入り続けながら働き続けたい人にとっては、世帯年収の減少と社会保険料の負担のどちらかを選択しなければなりません。

社会保険の適用拡大が、悪い影響をもたらす可能性が高いといえます。