3.2 学童保育を利用する

学童保育を利用する

絵を描く子どもの写真

mapo/istockphoto.com

小学校就学前は、前述したさまざまな制度によって、仕事と育児の両立がしやすくなってきています。

しかし、小学校にあがると、これらの制度が利用できなくなったり、親が関わることが増えたりするなど、いわゆる「小1の壁」に直面します。

小1の壁を乗り切るには、学童保育(放課後児童クラブ)の利用がまず考えられるでしょう。

厚生労働省の「2022 年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」によると、放課後児童クラブのほとんどが長期休暇等も開所しており、18時半を超えて開所しているクラブは約6割となっています。ただ、

利用できなかった児童(待機児童)が全国で1万5180人いて、前年よりも増えていることは、改善すべき今後の課題です。

料金は高くなりますが、民間の学童保育を利用するのも一つの方法です。

民間の学童保育は、遅い時間まで預けることができ、なかには夕食の提供を行っているところもあります。

長い時間預かるため、習い事のようなカリキュラムが組まれている児童クラブも多くあり、料金がかかっても、別途習い事をさせることを考えれば、見合った料金といえるかもしれません。

4. ジェンダーロールにとらわれない

制度や環境が整っても、自分たちの意識が変わらなければ、仕事と家庭の両立はできません。

ジェンダーロール=性役割にとらわれて、「女性(男性)はこうあるべき」という考えを自分や相手に押し付けていないでしょうか。

数十年前は男性が育児休暇を取るなんて考えられない時代でしたが、今は男性が育児休暇を取るのは当たり前になってきています。

ただし「表向きは」という前置きが入る程度に、まだまだ風当りが強いのが現状です。

女性が男性と同じように仕事を続けていくには、一人ひとりの意識を変えていく必要があるでしょう。

すべての人が希望に応じて、仕事でも家庭でも活躍できる社会の実現に向けて、まずは自分の意識を変えていくことから始めたいですね。

参考資料

石倉 博子