内閣府の令和6年第6回経済財政諮問会議の資料「誰もが活躍できるウェルビーイングの高い社会の実現に向けて①(女性活躍・子育て両立支援、全世代型リスキリング、予防・健康づくり)」によれば、健康寿命が延びるなか、高齢者の定義を5歳延ばすことを検討すべきだと提言しています(2024年5月23日)。

高齢者の定義が見直されそうな中、老後資金の準備がますます重要になってくるでしょう。

一時期は老後2000万円問題が話題となりましたが、現代はの60歳代の貯蓄2000万円以上の割合はどれくらいでしょうか。

この記事では、貯蓄に関するデータを見た後、老後資金を確保するための一つとして、2024年にはじまった新NISA活用法を2つ紹介していきます。

1. 60歳代「貯蓄2000万円以上」の割合は?平均・中央値はいくらか

まずは金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。

【写真全3枚中1枚目】60歳代・二人以上世帯の貯蓄円グラフ。2枚目以降では「貯蓄を保有している60歳代の貯蓄額円グラフ」もチェック

60歳代・二人以上世帯の貯蓄円グラフ

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」をもとにLIMO編集部作成

1.1 【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値

  • 平均:2026万円
  • 中央値:700万円

60歳代の貯蓄額は平均で2000万円を超えていますが、中央値は700万円と大きな差があります。

貯蓄2000万円以上の割合は30%で、7割の家庭は貯蓄2000万円以下です。

このため、多くの家庭が老後資金に不安を抱えているのが現状です。同調査から、貯蓄保有世帯の具体的な貯蓄額について見ていきましょう。