経済対策として6月から定額減税が始まっていますが、住民税非課税世帯などの低所得者層には、昨年分と合わせて10万円の給付が行われています。
「住民税非課税世帯は何かと優遇されている」などの声がよく聞かれますが、住民税非課税世帯の7割が年金受給者であることをご存じでしょうか。
そこで本記事では、年金受給者に住民税非課税世帯が多い理由と住民税非課税世帯であることによる経済的なメリットをお伝えします。
1. 住民税非課税世帯の7割以上が年金受給者
まずは厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」※から、住民税非課税世帯の年代別の割合をみてみましょう。
※「国民生活基礎調査」は、全国の世帯および世帯員を対象として、規定に則って無作為抽出した1万世帯を調査客体としています。
1万世帯のうち、2424世帯が住民税非課税世帯となります。
住民税非課税世帯を年代別に分けて、その割合をみてみると、60代以降から多くなり、60代15.8%、70代36.6%、80歳以上28.7%となっています。
年金受給開始となる65歳以上は1811世帯となり、住民税非課税世帯の74.7%を占めます。
従って住民税非課税世帯の7割以上が年金受給者といえるでしょう。
1.1 年金受給者の35%が住民税非課税世帯
ここで注意したいのが、年金受給者の7割が住民税非課税世帯ではありません。
先ほどの表から、65歳以上の世帯数5171のうち1811世帯が住民税非課税世帯なので、計算すると約35%になります。
年金受給者の約35%が住民税非課税世帯といえるでしょう。