5.4 高額療養費制度の限度額が下がる

高額療養費制度の限度額が下がる

病院の受付の写真

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住民税非課税世帯になると、医療機関などの窓口で支払う自己負担額の1ヵ月の世帯ごとの上限額が70歳未満の場合は3万5400円に、70歳以上の場合は2万4600円になります。

さらに70歳以上で年金収入が80万円以下の場合は1万5000円が上限額となります。

これによって医療費の負担が軽くなります。

5.5 高額介護サービス費の限度額が下がる

介護保険が適用される介護サービスの自己負担額が高額になった場合、申請によって自己負担限度額を超えた分の支給を受けることができます。

住民税非課税世帯は、1ヵ月の介護サービスの利用料の負担限度額は2万4600円(世帯)になります。

さらに年金収入が80万円以下の場合は1万5000円(個人)が負担限度額となります。

これによって介護サービス費の負担が軽くなります。

6. まとめにかえて

年金生活に入ると、日々の生活費以外に、医療費や介護費用などが多くかかってくるようになります。

住民税非課税世帯に該当する年金生活者はこれらの負担が軽減されるため、現役世代よりもメリットは大きいかもしれません。

そのため、住民税非課税世帯になるために「211万円の壁」として意識する年金受給者も多いようです。

今後、少子化がさらに進んで、税収が減り、その一方で、高齢者の医療・介護費は増大していくことが懸念されます。

その時に、社会保障制度を持続可能にしていくために、非課税となる基準を下げて、ぎりぎりまで、税金や保険料、医療費の負担をしてもらう未来がやってくるかもしれません。

つまり、今から「211万円の壁」を意識しても、将来はどうなるかわからないということです。

制度は改正されるものとして、年金や貯蓄を増やしながら、老後の生活を安定させていく方が建設的かもしれません。

参考資料

石倉 博子