2. 住民税非課税世帯になる年金収入の目安
年金受給者の35%が住民税非課税世帯というのも多いと感じるのではないでしょうか。
そこで、年金がいくらまでなら住民税非課税世帯に該当するのかがわかる年金収入の目安を表にしてみました。
1級地、2級地、3級地というのは、住んでいる地域によって分けられている区分です。
地域ごとの物価や生活水準が異なるため、その差を考慮して基準が設けられています。
東京23区などは1級地にあたり、限度額が一番高く設定されています。
65歳以上の東京23区に住んでいる単身者であれば、年金収入が155万円以下であれば、住民税非課税世帯に該当します。
同地域に住む、65歳以上の夫婦(配偶者を扶養している夫婦)であれば、年金収入が211万円以下であれば、住民税非課税世帯に該当します。
3. 平均的な年金額はいくら?
住民税非課税世帯になる年金収入の基準が高いのか低いのかは、年金受給者の平均年金額がわかれば判断できます。
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、国民年金受給者と厚生年金受給者の平均受給額をみてみましょう。
3.1 国民年金受給権者の平均年金月額
- 男性:5万8798円
- 女性:5万4426円
- 全体:5万6316円
3.2 厚生年金受給権者の平均年金月額
- 男性:16万3875円
- 女性:10万4878円
- 全体:14万3973円
収入が国民年金だけの人は、級地や年齢に関係なく、また、満額をもらったとしても81万6000円(2024年度)なので、住民税非課税世帯に該当します。
65歳以上の厚生年金受給者の場合は、平均受給額から判断すると、男性の単身者は該当しませんが、女性の単身者は該当する可能性が高いでしょう。
夫婦世帯も考えてみましょう。
たとえば、会社員の夫と専業主婦の妻だった夫婦世帯を想定してみます。
夫196万6500円(厚生年金の男性平均)に妻65万3112円(国民年金の女性平均)を足すと261万9612円となり、住民税非課税世帯の年収目安を超えるので、住民税非課税世帯には該当しません。
このように考えると、女性の場合は国民年金でも厚生年金でも、単身の場合は住民税非課税世帯に該当する可能性が高く、男性の場合は単身でも夫婦でも、厚生年金を受給していると住民税非課税世帯に該当しない可能性が高いといえます。