PGF生命が行った「2024年の還暦人(かんれきびと)に関する調査結果」によると、ことし還暦を迎える方の貯蓄額は平均で2782万円ということです。
金額についての捉え方は人それぞれですが、実は昨年と比べ672万円も大幅に減少したと同書に記載されています。
自分はこんなに貯められるのかと不安に思われるかもしれません。しかし、実際には「60歳代のひとり暮らし世帯」「貯蓄ゼロ」という人も少なくありません。
物価上昇が続く現代において、お金のやりくりと老後の備えを両立させるには、しっかりとした計画が重要になるでしょう。
統計を参考に、老後の備え方について考えていきます。
1. ことし還暦を迎える人「貯蓄額の平均」3454万円→2782万円に大きく減少
PGF生命「2024年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」では、ことし還暦を迎える1964年生まれの男女を対象に、貯蓄額の調査を行いました。
結果によると、全体の平均額が2782万円となっています。
1.1 2024年に還暦を迎える人の貯蓄額
ただし、このうち2000万円を超えているのは24.4%のみでした。約半数の50.5%が500万円未満となっていることから、貯蓄格差があると考えられます。
- 100万円未満:28.9%
- 100~300万円未満:14.7%
- 300~500万円未満:6.9%
- 500~1000万円未満:13.1%
- 1000~1500万円未満:9.6%
- 1500~2000万円未満:2.7%
- 2000~2500万円未満:5.3%
- 2500~3000万円未満:1.1%
- 3000~5000万円未満:5.1%
- 5000万円~1億円未満:5.9%
- 1億円以上:7.0%
1.2 2023年に還暦を迎えた人の貯蓄額
実は前年調査の平均を見ると、貯蓄額は3454万円でした。
672万円の減少となり、止まらない物価上昇に加え、“貯蓄から投資へ”の流れなどが影響していると分析されています。
前年の調査においても、2000万円以上の貯蓄がある人が全体の約3割。貯蓄が300万円未満の人は約4割であり、貯蓄額の格差が見られました。
次章では、60歳~69歳の貯蓄額について公的資料から見ていきます。貯蓄ゼロの割合に注目しましょう。