2. 【60歳~69歳の一人暮らし】貯蓄ゼロは何パーセント?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)(金融資産を保有していない世帯を含む)」によると、60歳代のひとり暮らし世帯の貯蓄額は平均で1468万円でした。
先程の還暦人の調査と違い、単身世帯であることや、年を重ねる事に貯蓄が目減りすることなどを考えると、このくらいの金額だと予想した方も多いでしょう。
注目すべきは、このうち「貯蓄ゼロ」の割合です。
2.1 【60歳代のひとり暮らし世帯】の貯蓄ゼロ(非保有)の割合
2.2 【60歳代のひとり暮らし世帯の貯蓄額】平均と中央値
貯蓄ゼロ率は33.3%となりました。貯蓄3000万円以上の世帯は15.1%のみです。
3割以上が貯蓄のない状態で日々の生活を送っているとあり、不安を感じる方もいるでしょう。
ちなみに貯蓄保有世帯のみに限定すると、貯蓄の平均額は2240万円、中央値は1100万円までアップしました。
貯蓄100万円未満という人は12.8%です。
とはいえ、現役時代からコツコツと貯めてきた人は「努力の結果」と言いたくなるかもしれません。
もちろん、60歳代という年代における貯蓄には、退職金や相続の有無のインパクトが大きいでしょう。
しかし、現役時代からコツコツ努力をした結果と言いたくなる人もいるのではないでしょうか。
次章では、手取り収入からどれほど貯蓄に回しているのか、年代別に考察していきます。
執筆者
大阪府大阪市出身。関西学院大学総合政策学部卒。大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社。個人・法人顧客に対しての新規開拓・コンサルティング営業に従事。生命保険販売を通じ、FPとして若年層から富裕層までの幅広い層のお客様への相談経験をもつ。ライフスタイルに合った保障と資産運用のバランスの良い持ち方のアドバイスを強みとする。現在は個人向け資産運用会社にて、資産運用のサポート業務をおこなう。一種外務員資格(証券外務員一種)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、AFP(Affiliated Financial Planner)を保有。
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年5月29日更新)