国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の1人あたりの平均給与は458万円となっています。
上記から日本では、平均年収400万円台が「一般的な収入」とされていますが、子どもがいる世帯年収は600万円台が平均のようです。
本記事では、最新データより「年収600万円台の二人以上勤労世帯」の貯蓄額やその内訳について紹介していきます。
子どもがいる世帯の平均的な世帯収入についても紹介しているので参考にしてください。
1. 子どもがいる家族の世帯年収はいくら?
厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、18歳未満の児童がいる子育て世帯の平均所得金額は785万円となっています。
子育て世帯の所得の内訳は下記のとおりです。
- 総所得:785万円
- 稼働所得:721万7000円(うち雇用者所得:689万7000円)
- 年金以外の社会保障給付金:19万1000円(うち児童手当等:15万3000円)
稼働所得のうちの「雇用者所得」は689万7000円となっていることから、子育て世帯の世帯年収の平均は「600万円台」だといえます。
※同調査において、雇用者所得とは「世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額をいい、税金や社会保険料を含む。」と定義されています。
なお、厚生労働省の同調査によると、全体の世帯年収の割合をみると年収600万円台は7.3%となっています。
世帯年収の中央値は「423万円」で、ボリュームゾーンが「200〜300万円未満」であることから、子どもがいる世帯の平均世帯年収である「600万円台」は、比較的高収入であることがみてとれます。
そんな子育て世帯ですが、貯蓄事情はどのようになっているのでしょうか。
次章にて、年収600万円台の二人以上勤労世帯の貯蓄事情を見ていきましょう。
2. 子どもがいる世帯の貯蓄額はいくら?
まずは、年収600万円台の世帯の暮らしぶりから確認していきます。
総務省統計局による「家計調査報告(貯蓄・負債編)」では、年収600万円台の二人以上・勤労世帯の傾向は下記の結果となりました。
2.1 年収600万円〜650万円世帯
- 世帯人数:3.22人
- 世帯主の配偶者のうち女の有業率:57.6%
- 世帯主の年齢:49.8歳
- 持ち家率:84.7%
- 年間収入:622万円
2.2 年収650万円〜700万円世帯
- 世帯人数:3.31人
- 世帯主の配偶者のうち女の有業率:55.5%
- 世帯主の年齢:49.0歳
- 持ち家率:81.4%
- 年間収入:672万円
年収600万円台の勤労世帯の世帯人数は平均3人となっており、子どものいる世帯が多いことがわかります。
また、年収600万円台の「世帯主の配偶者のうちの女の有業率」は50%を超えており、「共働き」をしている世帯が多い傾向にあるとうかがえます。
なお、「世帯主の配偶者のうちの女の有業率」は年収が高くなるほど割合が多くなっていることから、年収の高さは「共働きの有無」も影響しているのでしょう。
次章では「年収600万円台世帯の貯蓄額とその内訳」に迫ります。
3. 年収600万円台世帯の貯蓄額とその内訳は?
続いて、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」より、年収600万円台の貯蓄額とその内訳を見ていきましょう。
総務省統計局によると、年収600万円台の二人以上・勤労世帯の平均貯蓄額は、年収600〜650万円の世帯で「1040万円」、年収650〜700万円の世帯で「1263万円」となりました。
貯蓄額の内訳は下記のとおりです。
3.1 年収600万円〜650万円世帯
- 金融機関合計:1021万円
- うち通貨性預貯金:370万円
- うち定期性預貯金:305万円
- うち生命保険など:222万円
- うち有価証券:124万円
- 金融機関外:18万円
3.2 年収650万円〜700万円世帯
- 金融機関合計:1232万円
- うち通貨性預貯金:459万円
- うち定期性預貯金:290万円
- うち生命保険など:322万円
- うち有価証券:162万円
- 金融機関外:31万円
貯蓄の内訳をみると、大半が「預貯金」であり、投資の割合が少なくなっています。
これは、投資によるリスクを避け、確実に資産を増やしたいというニーズが高い世帯が多いことが考えられます。
また、前章で紹介したように年収600万円台の世帯の8割以上が持家を所有していることから、ローン返済に必要なお金を預貯金として貯めていることも考えられます。
とはいえ、近年は低金利の影響もあり、預貯金だけでは十分な資産形成が難しいのが現状です。
上記をふまえ、投資信託や株式などへの投資を検討することが、長期的な資産形成をするうえで大切になってくるとうかがえます。
ただし、負債を抱える世帯も少なくありません。
4. 子どもがいる世帯の負債額と純資産額はいくら?
前章にて、世帯年収600万円台の貯蓄額について紹介しましたが、これは純粋な貯蓄額ではありません。
純粋な貯蓄額、いわゆる「老後資金」や「教育費」などにあてることができる貯蓄は、貯蓄額から、住宅や土地といった負債額を差し引いた金額となり、これを「純貯蓄額」といいます。
総務省統計局によると、年収600万円台の二人以上・勤労世帯の平均負債額は、年収600〜650万円の世帯で「891万円」、年収650〜700万円の世帯で「1069万円」となりました。
4.1 年収600万円〜650万円世帯
- 貯蓄額:1040万円
- 負債額:891万円
- 純貯蓄額:149万円
4.2 年収650万円〜700万円世帯
- 貯蓄額:1263万円
- 負債額:1069万円
- 純貯蓄額:194万円
平均貯蓄額が1000万円を超えていることから、「老後資金や教育費を余裕をもって貯められている」と感じてしまいますが、実際は負債額も1000万円に近い金額となっており、純粋な貯蓄額は100万円台という結果になりました。
年収600万円台の世帯主の平均年齢は約49歳であり、50歳代に差し掛かろうとしている年齢です。
50歳代になると老後準備を本格的にしていく必要がありますが、子どもの大学費用などがかかってくる年代でもあります。
年収600万円台の子育て世帯が、老後資金や教育費などに充てられる純貯蓄額を増やすためには「支出」や「貯蓄率」の見直しに加えて、投資も視野に入れることが大切になるでしょう。
5. 老後資金や教育費の準備は早ければ早いほど有利
本記事では、年収600万円台の二人以上勤労世帯の貯蓄額やその内訳について紹介していきました。
年収600万円台の子どもがいる世帯では、一見貯蓄が十分あるように見えますが、実際は負債額も多く純貯蓄額は平均100万円台となっています。
老後資金や教育費の準備は、早ければ早いほど有利です。
50歳代になってから慌てて準備を始めるよりも、30歳代や40歳代のうちから、ローン返済とともに計画的に準備を進めていくことで、より多くの資産を形成することができます。
貯蓄の内訳や収入からの貯蓄率を見直しつつ、資産運用を活用して賢く資産の形成をしていけると良いでしょう。



