4. 子どもがいる世帯の負債額と純資産額はいくら?
前章にて、世帯年収600万円台の貯蓄額について紹介しましたが、これは純粋な貯蓄額ではありません。
純粋な貯蓄額、いわゆる「老後資金」や「教育費」などにあてることができる貯蓄は、貯蓄額から、住宅や土地といった負債額を差し引いた金額となり、これを「純貯蓄額」といいます。
総務省統計局によると、年収600万円台の二人以上・勤労世帯の平均負債額は、年収600〜650万円の世帯で「891万円」、年収650〜700万円の世帯で「1069万円」となりました。
4.1 年収600万円〜650万円世帯
- 貯蓄額:1040万円
- 負債額:891万円
- 純貯蓄額:149万円
4.2 年収650万円〜700万円世帯
- 貯蓄額:1263万円
- 負債額:1069万円
- 純貯蓄額:194万円
平均貯蓄額が1000万円を超えていることから、「老後資金や教育費を余裕をもって貯められている」と感じてしまいますが、実際は負債額も1000万円に近い金額となっており、純粋な貯蓄額は100万円台という結果になりました。
年収600万円台の世帯主の平均年齢は約49歳であり、50歳代に差し掛かろうとしている年齢です。
50歳代になると老後準備を本格的にしていく必要がありますが、子どもの大学費用などがかかってくる年代でもあります。
年収600万円台の子育て世帯が、老後資金や教育費などに充てられる純貯蓄額を増やすためには「支出」や「貯蓄率」の見直しに加えて、投資も視野に入れることが大切になるでしょう。
5. 老後資金や教育費の準備は早ければ早いほど有利
本記事では、年収600万円台の二人以上勤労世帯の貯蓄額やその内訳について紹介していきました。
年収600万円台の子どもがいる世帯では、一見貯蓄が十分あるように見えますが、実際は負債額も多く純貯蓄額は平均100万円台となっています。
老後資金や教育費の準備は、早ければ早いほど有利です。
50歳代になってから慌てて準備を始めるよりも、30歳代や40歳代のうちから、ローン返済とともに計画的に準備を進めていくことで、より多くの資産を形成することができます。
貯蓄の内訳や収入からの貯蓄率を見直しつつ、資産運用を活用して賢く資産の形成をしていけると良いでしょう。
参考資料
太田 彩子