公的年金は、「65歳になれば勝手に支給されるだろう」と思う方も多いですが、年金請求にかかる正しい手順を踏まないと受け取ることができません。
これまで手続きの煩雑さに課題がありましたが、2024年6月3日から「老齢年金請求書にかかる電子申請サービス」が開始しました。
公的年金の基本的なしくみとともに、請求の手続き方法を見ていきましょう。
1. 公的年金の基本的なしくみ「国民年金と厚生年金」
まず、日本の公的年金制度のしくみをおさらいしていきます。
日本は国民皆年金制度のため、誰もが公的年金に加入しており、「国民年金」と「厚生年金」が2階建ての構造になっているのが特徴です。
1.1 国民年金とは?
1階部分にあたる国民年金には、20歳から60歳未満の日本国内に住む全員が加入するのが原則です。
年金保険料は定額(保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率)で、2024年度は1万6980円となっています。
40年間すべて保険料を納付すれば、満額の老齢基礎年金が受け取れます。
なお、老齢年金以外では「遺族基礎年金」「障害基礎年金」もあります。
1.2 厚生年金とは?
続いて2階部分にあたる厚生年金です。厚生年金には、会社員や公務員などが国民年金に上乗せで加入します。
厚生年金保険料は月々の報酬月額によって決まるため、老齢厚生年金は「勤続年数はどれくらいか」「月々の報酬月額はいくらか」によって決まることになります。
なお、老齢年金以外では「遺族厚生年金」「障害厚生年金」もあります。
多くの方が受け取る老齢基礎年金と老齢厚生年金ですが、待っているだけでは支給されません。請求手続きについて見ていきましょう。