5. 【解説】住民税非課税でなくても…現役世代こそ「積立投資」などを検討して
住民税非課税世帯に対して対策が取られていますが、現役でバリバリ働いている課税世帯にできる対策はどういったものがあるでしょうか。
過去にはなかった制度として、投資による収益を非課税化できる制度が登場しています。
代表的なものがNISA制度。一見、どの年齢でも不公平が少ない制度ではあるように思える制度ですが、年間投資最大額が決められている以上、一括での運用は制限があります。そして、働く世代は時間を味方につけた投資が可能です。
特に、毎月決まった額で投資を行えば、運用先の「値上がり益」だけではなく、安い時に買い付けを増やし、高い時には買い付けを減らすという増減が自然と達成されます。
投資の世界では「ドルコスト平均法」という、立派な投資のテクニックです。
この購入方法は時間を味方につけているため、年齢を重ねてからの買い付けは不利と言えるでしょう。
しかし、投資にはリスクもあります。自分に無理のない範囲で継続的に続けることが重要です。
6. まとめにかえて
今年度から住民税が非課税になった世帯にはまもなく、自治体から「給付案内」などが届くかと思われます。
しかし、短期の給付金で持続的に生活が豊かになるとはいえません。特に収入の中心が年金となる老後はお金が足りず、生活が困窮するリスクもあるでしょう。
6月からは定額減税が始まりますが、1度に4万円が減税されるわけではありません。実際に減税されているかどうかを確かめるには、給与明細の税額欄を見てみてください。
まずは住民税の課税・非課税にかかわらず、将来の生活に困らない資産づくりと準備が重要といえるでしょう。
参考資料
足立 祐一
執筆者
一種外務員資格(証券外務員一種)、生命保険販売資格、損害保険販売資格、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。同志社大学政策学部卒業後、損保ジャパン日本興亜(旧日本興亜損保)へ入社。保険代理店への保険商品案内営業に従事。その後、実際に窓口でお客様へ提案したいとの思いから東京スター銀行のリテール営業へ転身。2011年より現在までファイナンシャルアドバイザーとして個人のお金の悩みを解決してきた。2012年より個人販売の全行員内ランキングでは9年間で10位以内から一度も落ちることなく、2014年2位・2019年3位・2020年1位・2021年2位と安定して好成績をおさめた。現在は個人向け資産運用会社にて、資産運用のサポート業務をおこなう。
監修者
株式会社モニクルリサーチ
LIMO編集部記者/金融ライター
1996年生まれ。千葉県出身。一種外務員資格(証券外務員一種)保有。早稲田大学文化構想学部在学中から、まだネガティブなイメージで語られることの多かった「独身女性」が、実際には豊かなくらしを謳歌する「おひとりさま」であると謳う女性サイト編集に従事。
大学卒業後、株式会社良品計画で東京都内店舗の運営・勤務を経て、ライターおよび編集者として活動。女性のライフスタイルや意識調査と、日本年金機構や総務省統計局「家計調査」など公的資料・統計を絡めた記事作成が得意。ビジネス誌『PRESIDENT』、日本経済新聞「xwoman doors」など、紙からウェブまで様々な媒体にて取材・執筆を重ねる。
現在は、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、最新データから読み解く財政事情や資産運用、厚生労働省管轄の厚生年金保険と国民年金、貯蓄、NISAなどのテーマを中心に編集・執筆。趣味は散歩。(2024年6月28日更新)