4. 「住民税非課税世帯」年代別の割合は?高齢者世帯が多くなる理由とは
厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」から、年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)を確認してみましょう。
- 29歳以下:29.7%
- 30歳代:9.2%
- 40歳代:9.2%
- 50歳代:11.3%
- 60歳代:19.2%
- 70歳代:34.9%
- 80歳以上:44.7%
60歳代の約2割が住民税非課税世帯だとわかります。その後も増え続け、80歳代では44.7%が該当しているようです。
29歳以下をのぞき、年齢を追うごとに住民税非課税世帯の割合が増えているとわかります。
高齢者が多くなる理由として、以下が考えられます。
- 年金収入が給与所得よりも比較的下がる
- 「年金所得控除」の影響で所得が少なくなる
4.1 【住民税非課税世帯に高齢者が多い理由】年金収入が給与所得よりも比較的下がる
現役世代に比べ、高齢者世帯の所得は少なくなることが一般的です。そのため、対象世帯が増える可能性が高まります。
厚生年金の平均額は約14万円であり、平均以下で暮らす世帯の多くは非課税の対象となります。
4.2 【住民税非課税世帯に高齢者が多い理由】「年金所得控除」の影響で所得が少なくなる
年金の「所得控除」は、給与の所得控除よりも大きくなる傾向があります。
大阪市の場合、扶養親族なしの方が住民税非課税になる目安年収として、年金受給者(65歳以上)は155万円以下に設定されています。
こうした調整が、住民税非課税世帯に年金受給をしている高齢者世帯が増えている背景として挙げられるでしょう。
次の章では、非課税対象とならなくても物価高などに苦しむ現役世代にもおすすめしたい「老後資金」や「物価高」対策を現役ファイナンシャルアドバイザーが解説します。