老後2000万円問題が話題となるなど、老後生活を心配する人が増えています。
長年厚生年金に加入している人の中でも、貯金が少ない人はより不安を感じるかもしれません。
6月支給分の年金から2.7%の増額となることが決定しましたが、実際には物価上昇率を下回るため減額と捉えられています。
こうした現代において、本記事では「厚生年金があれば老後生活は安心かどうか」について解説します。
老後の生活費や年金額も紹介しますので、老後の家計収支について考えてみましょう。
1. 老後の家計収支(最新の平均額)
最初に、総務省の「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)」より、平均的な老後の家計収支について見ていきましょう。
1.1 高齢夫婦無職世帯の場合
65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な毎月の家計収支は次の通りです。
- 収入:24万4580円
- 支出:28万2497円
毎月3万7916円の赤字が出るため、貯金がなければ支出を抑えなければなりません。
しかし、夫婦の年金額が28万2497円を上回れば、月々の生活費を年金だけで賄えます。
1.2 高齢単身無職世帯の場合
65歳以上の単身無職世帯の平均的な毎月の家計収支は次の通りです。
- 収入:12万6905円
- 支出:15万7673円
毎月3万円強の赤字が出るため、節約しないと生活できません。
年金額が15万7673円を上回っている人は、理論上は年金だけで生活できます。