2024年度の公的年金は前年度から2.7%増額となりますが、そもそも物価上昇率を下回る水準であり実質的には目減りとなっています。
また、今年度は介護保険料も改定され、65歳以上の介護保険料が全国的に増加傾向にあることが分かりました。
実質的に目減りとなる年金収入に対し、介護保険料は増加となれば、可処分所得が減り年金生活はますます厳しいものとなるでしょう。
本記事では、40歳から自動的に資格取得となる介護保険制度の仕組みをおさらいし、65歳以上の介護保険料の傾向と現状について確認していきます。
後半では、都道府県別の保険料基準額と基準額が最も高い&低い自治体のランキングも掲載していますので最後までご覧ください。
1. 介護保険制度とは?
介護保険制度は、少子高齢化や核家族化といった環境の変化を背景に、社会全体で高齢者を支えるために2000年に創設された制度です。
40歳になると、この制度を支えるために介護保険料の納付がスタートします。
なお、介護保険制度における被保険者は年齢に応じて下記のとおり第1号被保険者と第2号被保険者に分けられ、それぞれ受給要件と保険料の徴収方法が異なります。
1.1 第1号被保険者:65歳以上
- 対象者:65歳以上の方
- 受給要件:要介護状態・要支援状態
- 保険料の徴収方法:原則、年金からの天引き
65歳になった月から第1号被保険者の介護保険料が徴収されます。65歳になると自動的に第2号被保険者から第1号被保険者に切り替わります。
1.2 第2号被保険者:40歳以上65歳未満
- 対象者:40歳以上65歳未満の医療保険加入者
- 受給要件:要介護(要支援)状態が老化に起因する疾病による場合
- 保険料の徴収方法:医療保険料に含んで徴収
40歳になった月から自動的に介護保険制度の第2号被保険者の資格を取得します。
さて、冒頭で申し上げたとおり、3年ごとに行われる介護保険事業計画に基づき、第9期(2024年度~2026年度)の65歳以上の介護保険料の基準額が改定されました。
介護保険制度は2000年に創設されて以降、毎期、増加し続けています。次章で、2000年から現在までの第1号被保険者の介護保険料の推移を確認しましょう。