2. 20歳代・30歳代でNISA、iDeCoに加入している人の割合は?

近年、資産形成の方法として「NISA」と「iDeCo」が注目されています。

普通預金は利率が低く、お金が増えにくいため、資産を賢く形成しようという人が増えているためです。

ここで、NISAとiDeCoの違いを簡単におさらいしておきましょう。

【写真全5枚中1枚目】NISAとiDeCoの違い。 2枚目では2023年9月時点「つみたてNISA」の利用状況を掲載。

【写真全5枚中1枚目】つみたてNISAとiDeCoの違い。 2枚目では2023年9月時点「つみたてNISA」の利用状況を掲載。

出所:筆者作成

NISAとiDeCoは税制面で優遇を受けながら積み立て投資を行える制度。少額の掛金を毎月運用し、低リスクで長期的に資産形成を行えます。

ただし、この2つの制度において資産運用の目的が上記のように異なります。

2.1 「つみたてNISA」利用者の割合:最近の若者はNISAに加入しているの?

金融庁「NISA・ジュニアNISA利用状況調査」(2023年9月末時点)を参照し、年代別のつみたてNISAの加入者の割合を見てみましょう。

【写真全5枚中2枚目】2023年9月時点「つみたてNISA」の利用状況

出所:金融庁「NISA・ジュニアNISA利用状況調査」2023年9月末時点をもとに筆者作成

つみたてNISAに加入している人がもっとも多い年代は30歳代、次いで40歳代でした。

NISAはお金のつかい道の自由度が高く、住宅ローンの頭金や車の購入費、教育費など様々な出費を目前に控える30歳代、40歳代の加入者が増えた傾向が見受けられます。

また、この年代は収入が安定してくる傾向にあるため、資産形成にまわす余剰資金も出てくるのでしょう。

一方、調査時点でつみたてNISAに加入していた20歳代は全体の2割程度でした。

この数値を多いと考えるか少ないと考えるかは人それぞれです。しかし筆者は、20歳代のNISAの加入率は比較的高いといえるのではないかと思います。

四年制大学の進学率が半数を超える現在、20歳代前半は就学期間ともいえるでしょう。

大学院進学や留学をする人や、諸事情などによって浪人や留年をする人も少なくないことを考慮すると、社会人になっていない20歳代は多いと思われます。

2.2 【年代別】iDeCoに加入している人の割合をチェック

あわせて、iDeCoに加入している人の割合を年代別に見ていきましょう。

運営管理機関連絡協議会は、公表している「確定拠出年金統計資料 (2023年3月末)」にてiDeCoの年代別加入者割合を明らかにしています。

【写真全5枚中3枚目】iDeCo:年代別加入者割合(2023年3月時点)

出所:運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料 (2023年3月末)」

40〜49歳の加入率がもっとも高く、50〜59歳が続いています。iDeCoは老後の資産形成を行える制度のため、ミドル層の加入者が多い傾向にあります。

一方、20〜29歳の加入者の割合は18.0%、30〜39歳については24.4%と決して少ない割合ではありません。

この時点から、若者の資産形成への意識の高まりが見て取れるでしょう。

次の章では、若者(20歳代・30歳代)が資産運用を行う理由を深堀りしていきます。